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色々
「色々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
然正気を失わずにいたのであろうか。しかし彼の眼と蒼空との間には実際そこになかった
色々な物が、影のように幾つとなく去来した。第一に現れたのは、彼の母親のうすよごれ....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
こまでも拡げているが、それと灰色の雲との一つになる所が、窓枠の円形を、さっきから
色々な弦《げん》に、切って見せている。その中に、空と同じ色をしたものが、ふわふわ....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
ません。
――妃たちに訊《き》いてもわかりませんか。
――それが妙なのです。
色々訊いて見ると、忍んで来る男があるにはある。けれども、それは声ばかりで姿は見え....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
その事なら飲み込めたという風に、時々|上眼《うわめ》で睨《にら》み睨《にら》み、
色々な事を彼れに聞《き》き糺《ただ》した。そして帳場机の中から、美濃紙《みのがみ....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
こうして若い夫婦はつぎつぎにお前たち三人の親となった。
私はその頃心の中に
色々な問題をあり余る程《ほど》持っていた。そして始終|齷齪《あくせく》しながら何....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
坐《すわ》っていながら僕の眼は時々ジムの卓《テイブル》の方に走りました。ナイフで
色々ないたずら書きが彫りつけてあって、手垢《てあか》で真黒《まっくろ》になってい....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
備がとゝのつたので、術者はしん粉細工にとりかゝる。まづ術者は、白や赤や青や紫やの
色々のしん粉を見物に見せ、 『持出しましたるしん粉は、お目の前におきましてこと/....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
言葉で、この二つの極の名称をいい現わしていいか知らない。然しこの二つの極は昔から
色々な名によって呼ばれている。希臘神話ではディオニソスとアポロの名で、又欧洲の思....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
けてくれる。堂母の壁画にあるような天国に連れて行ってくれるからいいとそう思った。
色々な宗教画がある度に自分の行きたい所は何所だろうと思いながら注意した。その中に....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
て最も肉体を苦しめる労働はかんかん虫のする労働である。小さなカンテラ一つと、形の
色々の金槌二つ三つとを持って、船の二重底に這い込み、石炭がすでに真黒になって、油....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
刀を以って咽喉を突いてる、血がポタポタ滴れそうな仕掛になっている。この種のものは
色々の際物――当時の出来事などが仕組まれてありました。が、私の記憶しているのでは....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
会日は木曜だったので、私達は昼遊びに行きましたが、滝田さんは夜行って玉版箋などに
色々のものを書いて貰われたらしいんです。だから夏目先生のものは随分沢山持っていら....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
くさんな人や、馬車や、荷車がひっきりなしに通っていました。そしてそこにもここにも
色々な色をした大きな旗がひるがえっていて、それには大きな字で汽船の出る広告が書い....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
奇麗にして元の所に戻して置くこと。修理を要するような場合には、幹事に報告し、かつ
色々の出来事は日記に一々記録して置くこと。また毎週一日は器械の掃除日とし、一ヶ月....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ら、あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破目に立到ったのを、
色々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、律儀な百姓の手に御養育いたさせたのだ。そ....