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色を失う
「色を失う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色を失うの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
敬業《りけいぎょう》の乱に当り、駱賓王《らくひんのう》の檄《げき》を読んだ時には
色を失うことを免れなかった。「一抔土未乾 六尺孤安在」の双句は天成のデマゴオクを....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
座にかの女を蛇の変化《へんげ》と知ったというのは、この石変化の物に逢わばたちまち
色を失うからだ。道人すなわち窃《ひそ》かにその由を夫に告げ、啌と思うなら物は試《....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
全世界へひびきわたった。そして世界中の人間は、はじめて耳にする怪魔ミミ族の来襲に
色を失う者が多かった。 「もうだめだ。ミミ族というやつは、地球人類より何級も高等....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
品をよくとのみ勉め、ついにこの物語に流れている情熱を棄てたなら、かえって原文の特
色を失うにも至ろう。「吉祥天女を思ひがけんとすれば、怯気づきて、くすしからんこそ....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
宗はことごとく堕地獄の因縁である」と宣言した。 大衆は愕然とした。師僧も父母も
色を失うた。諸宗の信徒たちは憤慨した。中にも念仏信者の地頭東条景信は瞋恚肝に入り....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
トカから祖国へ敵前上陸する集団発狂者があり、コミンフォルムの批判にシッポを垂れて
色を失う集団発狂者がある。この集団発狂は、彼の力では、どうにもならない。 しか....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
川夫人が乗り込んで来たのよ。」 「僕の女房? ウソでしょう。」 「そらそら、すぐ
色を失うくせに、……嘘なもんですか。」 「綾子が……どうして……」前川は、きれぎ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
めなさい、と教えてくれたからである。 ところが応待に現れた日本人の神父さんは顔
色を失うぐらいに狼狽して、そんなものは出版したことがありません、そう云いながらソ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
方が危いことに気がついた。 そのときの升田の驚愕といったらなかった。ガクゼン顔
色を失うとは正にこのことで、朝から真ッ蒼の顔がさらにガクゼンと色を失った。 升....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
な実らしい根拠を以て非再建論を固執せられようとも、この確実なる史実の前には全然顔
色を失うべき筈である。現存の金堂・塔婆・中門などとともに、継続的事業として建築せ....
「新童話論」より 著者:小川未明
論によって明にされたるが如く、彼等の、社会的という言葉の意味は、個性を没却し、特
色を失うということであってはならない、全国一様の教科書は、単に学術的知識を教うる....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、草木の中を歩いて、紫、藍、紅、さまざまな花をもんで試みたが、どれも日光にあえば
色を失うのみか、筆にかかる粘力がない。 その中でも、割合に色素のありそうな、ぎ....
「三国志」より 著者:吉川英治
を開くように迫ってきた。 「おおっ、呉の大船隊が」 と、玄徳をはじめ人々がみな
色を失うと、孔明は、舟手の者にすぐ進路を指揮し、 「かねて予測されていたこと。お....