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色ガラス
「色ガラス〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色ガラスの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玩具」より 著者:太宰治
が出て出て、やがて眼玉がちかちか痛み、次第にあたりの色が変っていった。私は、眼に
色ガラスのようなものでもかかったのかと思い、それをとりはずそうとして、なんどもな....
「道標」より 著者:宮本百合子
ま》の中で顫えた。木立のなかに丸木小舎めかして建てられていたその小劇場。喫煙室に
色ガラスのはまった異国風なランターンがつり下げられていた。そこに立ったり腰かけた....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
ずいて祈っている。蝋燭を売るばあさんがじろじろと私を見る。堂のまん中へ立って高い
色ガラスの窓から照らす日光を仰いで見るのはやはりよい心持ちがします。午後でしたか....
「カメラをさげて」より 著者:寺田寅彦
けた珍しいものの一つとしてはサンスクリットで孔雀という意味の言葉を入り口の頭上の
色ガラス窓にデワナガリー文字で現わしたのさえあった。ダミアンティやシャクンタラの....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
も何か物足りなくて、コーヒーを飲んだ気になりかねる。やはり人造でもマーブルか、乳
色ガラスのテーブルの上に銀器が光っていて、一輪のカーネーションでもにおっていて、....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
ついたようである。 障子というものがまた存外巧妙な発明である。光線に対しては乳
色ガラスのランプシェードのように光を弱めずに拡散する効果があり、風に対してもその....
「モスクワ日記から」より 著者:宮本百合子
この戸をあけたら、医員の白い上っぱりも一時に紫っぽい色に変った――すっかり窓が着
色ガラスで張られているのだ。 「御承知の通り、性病の遺伝のある赤坊はよく眼が弱い....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
屋のコップ、写真のレンズ、虫めがねにいたるまで同じ程度において愛着を感じ、ことに
色ガラスの色感くらい私を陶酔させるものはない。安物の指輪の赤いガラス玉、支那めし....
「神田を散歩して」より 著者:寺田寅彦
特有な色彩を現わして柳は緑に花は紅に見える。しかし緑色の宣伝する人は太陽の前に緑
色ガラスのスクリーンをかけて、世の中を緑色にしてしまおうと考えているかのように見....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、その堂々たる構えや、よじれた鉄欄のついてる露台や、閉ざされたまっ白な板戸の上に
色ガラスの種々な緑色が浮いて見える長い窓などで、それと見分けられていた。それでも....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
近藤女史は女弟子に告げて、それを取りにやりました。やがて女弟子は一個の小さな緑
色ガラスの罎をもってきて、俊夫君に渡しました。 俊夫君は、その罎をすかして見ま....
「気まぐれの人形師」より 著者:小川未明
がどこからどういうふうにもれてくるのであろうかと、思わず、店の方へ寄っていって、
色ガラスで張られた窓の内部をのぞいてみました。 不思議にも、その小さな店は、人....