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「色付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
立てたらしい、英国ニューフォレストの赤土は昔ここで敗死した嗹人《デーンス》の血で色付いたと土民信じ、ニュージーランドのマオリ人がクック地峡の赤い懸崖を古酋長の娘....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
い群青《ぐんじょう》色でした。 しかし、よくよく見比べると、三体の焼きぐあい、色付けの仕上がり、細工のできばえに、あきらかな優劣が見えるのです。右がいちばん上....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ものでなければならぬ。 彼等はこの鳥打帽式の自由な奔放な生活振りに依って東京を色付けている。風俗、商売、女等に彼等の思想傾向を反映さしている。 排米問題の時....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の放つ光線が、水勢へ陰影をつけるからであった。泡沫が水路を煙らせた。それが微光に色付けられ、鈍い真珠の宝玉を綴った。滝壺は湯のように煮え立っていた。四辺が明るん....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
、伝統的な、あまりに日本人的な卑俗感やデモクラシイやを、新思潮のジャーナリズムで色付け得るから。最近の無産派文学や社会主義やも、多分これと同様のものであるだろう....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
に喋舌っている。 権九郎の方は四十過ぎらしく、肥えた髯だらけの丸顔はやはり赤く色付いているが、これも負けずに喋舌るのであった。 小屋の中は陽気である。 ....
マリア・バシュキルツェフの日記」より 著者:宮本百合子
らんといって、樹かげの見捨てられた古屋台の中から、すっかり気がぬけて、腐っている色付ミカン水の瓶をひっぱり出して来て、それを分けて飲もうとしているとき、もし、傍....
追憶」より 著者:宮本百合子
に保ち続けて居られる。 二つの霊の交通は彼の時の純なまま愛に満ちたまま何物にも色付けられる事なしに、墓に入る日まで私の胸に響き返る事が出来るのである。 大変....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
り合点がゆきました。私たちのように視覚の活動がはげしいものは、過敏な折もあって、色付の天然色夢を見るわけですね。何も気違いが見るというのではないわけです。誕生日....
帝展を見ざるの記」より 著者:寺田寅彦
事である。 これで筆を擱こうと思ってふと縁先の硝子障子から外を見ると、少しもう色付きかかった紅葉の枝に雀が一羽止ってしきりに羽根を繕っている。午過ぎの秋の日を....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
から、低い入谷田圃からでも、壮大を極めた大博覧会の結構が見渡せるのだった。仄のり色付いた桜の梢を雲のようにして、その上に寛永寺の銅葺屋根が積木のようになって重な....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
ときには、彼らは利益を受け、反対の場合には、損失を蒙る。これらが企業者の職分を特色付けるそれぞれの現象である。 一九〇 先に述べた生産要素の表(第一七八節)と....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
をおさえてオシッコをさせている、キューネの手がいきなり震えはじめてきた。遠空に、色付きはじめた中央山脈を縫いながら、するするのぼってゆく英国旗。しまった、もうこ....
申訳」より 著者:永井荷風
俗をたとえて、石版摺の雑誌表紙絵に均しきものとなした。それはまた化学的に製造した色付葡萄酒の味にも似ている。日光の廟門を模擬した博覧会場の建築物にも均しい。菊人....
食道楽」より 著者:村井弦斎
《たがい》に溶け合って鼈甲色《べっこういろ》に透通ったものが出来る。それを長崎で色付油《いろつけあぶら》という。しかし焦《こ》げ過《す》ぎると黒くなって苦くって....