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「色味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色味の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
、デッキの隅にすらりと立って、章三の顔をしずかに見ていた。あえかな微笑だった。褐色味を帯びた瞳が、青く底光る眼の中に、ぱちりと澄んで、何かうるんだような感触が、....
悟浄歎異」より 著者:中島敦
。青白い大きな星のそばに、紅《あか》い小さな星がある。そのずっと下の方に、やや黄色味を帯びた暖かそうな星があるのだが、それは風が吹いて葉が揺れるたびに、見えたり....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
のだとは、今日の今日まで知らなかった」と、星宮理学士は、長い箸を器用に使って、黄色味がかったプリプリするものを挾みあげると、ヒョイと口の中に抛りこんで、ムシャム....
ウォーソン夫人の黒猫」より 著者:萩原朔太郎
人に見る範疇《はんちゅう》として、彼女の容姿は瘠形《やせがた》で背が高く、少し黄色味のある皮膚をもった神経質の女であった。しかし別に健康には異状がなく、いつも明....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
が、このエルシノアの町へ時代を逆に杖をひく旅人の絶えないのは、その蒼然たる古色味の空気でもなければ、クロンボルグ城の特徴ある建築でもない。ただこことシェキス....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
品やフィリップ・ド・シャンパンニュの蒼《あお》い人物の上に広がってる、魂のある灰色味は、クリストフをフランスの古い芸術から遠ざけてしまった。また新しいものについ....
吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
さから同じような形の岩壁が何十と重なり合って岩角を畳み合せてるのが、岩肌は黒に黄色味を見せ、角々に雪を持って、壮観限りないものだった。シャイデックから乗って来た....
植物人間」より 著者:蘭郁二郎
のはその部分だけで、そこから遠ざかるにつれて薄暗く、向う岸などは此処から見ると藍色味を帯びているように見えた。子供の時に聞いた魔の沼のようであった。 が、そう....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
幾種か有ちます。例えば傘紙として作られる「たたきこみ」と呼ぶ紙の如き、張りのある色味のよい活々した紙であります。漉く時の手の動かし方が、この紙に特別な力を与える....
私本太平記」より 著者:吉川英治
競べ、歌競べ、虫競べなどの遊戯にならって、十種二十種の国々の銘茶をそろえ、香気や色味をのみくらべるのを“闘茶”といい、その闘茶にはまた、莫大な賭け物をかけたりす....
鮎を食う」より 著者:北大路魯山人
。火にかけて焼くとき、尾鰭につけた化粧塩が、全身の脂のために、じくじく滲んで、黄色味を呈し、化粧塩を不体裁にするようになるくらいでないと、ほんものではない。 ....