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色感
「色感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色感の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
」といわれるように「いき」なものである。鼠色、すなわち灰色は白から黒に推移する無
色感覚の段階である。そうして、色彩感覚のすべての色調が飽和の度を減じた究極は灰色....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
にされている、豪奢な講典杖をついていた。その黒と黄との対照が、彼女の赤毛に強烈な
色感を与えて、全身が、焔のような激情的なものに包まれているかの感じがするのだった....
「芸術が必要とする科学」より 著者:宮本百合子
肉体の疲労が、こんな工合に色彩に対する感覚に作用し、われわれが頭で知っている
色感と現実の感覚的反応との間にこんな分裂が生じるということを自分の体で味わったの....
「山の彼方は」より 著者:宮本百合子
い色彩のとり合せや、日常瑣事の風情に眼をつけていて、色彩の感覚などは今日の洋画の
色感でさえ瞠目させられるようなものもある。 清少納言はそういう人であったけれど....
「世代の価値」より 著者:宮本百合子
の美しい扱いかた、黒の微妙な調和の手法を、日本の近代人はかえって西欧の洗煉された
色感から学んでいることを、女性は知っているのである。「日本的性格」の筆者が、近代....
「ケーテ・コルヴィッツの画業」より 著者:宮本百合子
テがこのベルリン時代にドイツのシムボリズムの画家として、その構想の奇抜なことや、
色感が特別ロマンティックな点などで人々の注目をひいていたクリンガーの影響をも強く....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
、写真のレンズ、虫めがねにいたるまで同じ程度において愛着を感じ、ことに色ガラスの
色感くらい私を陶酔させるものはない。安物の指輪の赤いガラス玉、支那めし屋の障子に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
部大臣賞を去年貰った男が、いかにも人をくった模倣の露出したコンポジションと不快な
色感で通州というのをデカく描いている。私たちのすきであった絵ハガキをお目にかけま....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
をかくそうです。この頃幼稚園でぬり絵をやります、印刷した輪廓に色をぬるのですが、
色感がよくて面白いので、かざったりしています、あの位の子の絵はなかなかおもしろい....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
明るいというのではなく、ただ赤いという
色感だけの、朝焼けだ。中天にはまだ星がまたたいているのに、東の空の雲表に、紅や朱....
「新らしき文学」より 著者:坂口安吾
* 昔アリストテレス以前には、人々は虹に三色のみを識別した。更に昔は人々は
色感に於て赤と黄の二色を識別し得たにすぎない。リグ・ベエダの時代には赤と黒は殆ど....
「翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
。だが世の中にこれほど滑稽な勘違いはない。かえって鴎外のつかう語彙《ごい》くらい
色感の強いものは、ほかの文学者には見当らぬほどである。鴎外の文章は、意味と色とト....
「八寒道中」より 著者:吉川英治
ば、興味をうごかすに足りなかった。 つまり、彼とはまったく反対な性格と、反対な
色感をもった女でなければいけないのだった。 鮎川の部屋は、さすがに大きな世帯だ....