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「色沢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色沢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
り》を劇《はげ》しい労働に苦使《こきつか》われて営養が不十分であったので、皮膚の色沢《いろつや》が悪く、青春期に達しても、ばさばさしたような目に潤いがなかった。....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
から壁にかけ胡桃と樫の切組みになっていて、その所々に象眼を鏤められ、渋い中世風の色沢が放たれていた。そして、高い天井からは、木質も判らぬほどに時代の汚斑が黒く滲....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
んも小夜子の声を聞きつけて奥から出て来た。彼女は質素な洋服を着ていたが、まん丸な色沢のあまりよくない顔が、寂しいなりににこにこしていた。髪は無論ボッブされていた....
新世帯」より 著者:徳田秋声
いる姿にすら、どことなく品があった。雪の深い水の清い山国育ちということが、皮膚の色沢の優れて美しいのでも解る。 お作を周旋したのは、同じ酒屋仲間の和泉屋という....
足迹」より 著者:徳田秋声
していた。病気が快くなったとも思えなかったが、いくらか肉づきもよくなっていたし、色沢も出て元気づいていた。叔父は自分では肺尖加答児だと称していた。 狭い田舎の....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
時、子供の私の心はうれしさに飛び上った。そしてあの胴体の草色と青色のエナメル風の色沢は、油絵の色沢であり、ガラス絵であり、ミニアチュールの価値でもあった。 私....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
った。 人の事は云われないが、連の男も、身体つきから様子、言語、肩の瘠せた処、色沢の悪いのなど、第一、屋財、家財、身上ありたけを詰込んだ、と自ら称える古革鞄の....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
もあるように白くなっていた。しかもその顔には一筋の皺もなく、皮膚は瑞々した盛りの色沢を持っていた。腕は非常に長くて筋肉が張り切っていた。手も同様で、並々ならぬ把....
呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
言及されたものであるが、「万象ヲ鑒識スルノ興奮ハ視官ニ於テ最盛ナリ。光線ノ発射ト色沢ノ映昭トハ吾人ノ終身求メテ已マザル所ナリ。耳モ亦之ニ同ク、響ト音トハ其常ニ欲....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
のではあるまいか。 尊いものとして、幼ない心に沁みついている記憶は髪の真白な、色沢のいい顔色をした祖母の姿だ。私の下には妹が二人あったので、私は十三の歳いよい....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
ら、先年来密かに用いたところ、なるほど本の通りであった。 試みに、わが輩の顔の色沢を見給え、青年からさらに遡り童顔に等しかろう。どうじゃ、わが輩の腕の筋肉の盛....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
がる梢に盛り上がる若葉はなんと多彩な艶に、日光を吸い込むことか。 叢林の若葉の色沢は、触れれば弾力を感ずるのではないかと思う。 六里ヶ原の浅絲の下には、幾本....
」より 著者:犬田卯
品|一切代として決算せられたのである。柳原ものではあるまいかと思われるような上下色沢の不揃いな金モール服が何と六百何円――貧乏村の校長氏の高等官七等の栄誉を飾る....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
なんぞに 構っているのは、わたしゃあ本から厭ですから。 わたしゃあふっくりした、色沢の好い頬っぺたが一番|好だ。 亡者が来りゃあわたしゃあ留守を使って遣ります。....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
々中毒事件を惹起している惨事の如きは、料理関係者の堕落が原因である。要は眼で見る色沢、鼻で嗅ぐ香気、口加減に見る味覚等により、善悪良否は判別されるものであるが、....