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「色相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色相の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
の日記の一筋にまた云う。 「生死因縁《しょうしいんねん》無了期《りょうきなし》、色相世界《しきそうせかい》現狂癡《きょうちをげんず》」 小野さんは色相《しきそ....
薤露行」より 著者:夏目漱石
つしょうじ》の乾坤《けんこん》を定裏《じょうり》に拈出《ねんしゅつ》して、五彩の色相を静中に描く世なり。かく観ずればこの女の運命もあながちに嘆くべきにあらぬを、....
草枕」より 著者:夏目漱石
るべきこの装《よそおい》の、厭《いと》う景色《けしき》もなく、争う様子も見えず、色相《しきそう》世界から薄れて行くのは、ある点において超自然の情景である。刻々と....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
オニソスとアポロの名で、又欧洲の思潮ではヘブライズムとヘレニズムの名で、仏典では色相と空相の名で、或は唯物唯心、或は個人社会、或は主義趣味、……凡て世にありとあ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
試みに君が武蔵野辺の緑を見た眼で、ここの礫地に繁茂する赤松の林なぞを望んだなら、色相の相違だけにも驚くであろう。 ある朝、私は深い霧の中を学校の方へ出掛けたこ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
事を捕えたまではよかったが、その「快楽」を捕えたときは、君はすくなからず蕭殺たる色相とデスペレートな気分とを帯びてるごとく見えたからである。快楽主義は君にとって....
文づかい」より 著者:森鴎外
の真中に、馬車一輛とどめさせて、年若き貴婦人いくたりか乗りたれば、さまざまの衣の色相映じて、花一|叢、にしき一団、目もあやに、立ちたる人の腰帯、坐りたる人の帽の....
南国太平記」より 著者:直木三十五
いた。人々は、沈黙して、次を待った。 「右旋して、日輪の魏々として照映する如く、色相金色にして、紅霓《こうげい》、雷閃の如し。南無、延命、息災の呪法を成就せしめ....