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色街
「色街〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色街の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
おいらん》共の紋提灯です。 「道理で粋《いき》じゃと思うたわい。暇があらば人間、
色街《いろまち》にも出入りしておくものじゃな」 呟いていたかと見えましたが、間....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
中で頼まれたと云って、不良が持ってきた。倉田工業から電車路に出ると、その一帯は「
色街《いろまち》」になっていた。電車路を挾んで両側の小路には円窓《まるまど》を持....
「島原心中」より 著者:菊池寛
ったのです。壮麗な建物の打ち続いた、美しい花魁の行き交うている、錦絵にあるような
色街だったのです。 従って、その日――たしか十一月の初めでした――上席の検事か....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
左へ下ると、退屈男とはめぐる因果の小車のごとくに、切っても切れぬ縁の深い新吉原の
色街でした。――もうここまで来れば匂いが強い。右も左も江戸の匂いが強いのです。 ....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
、どんなにこう心で叫んだか分りません。一番近いと思つていた親戚に裏切られた私は、
色街にさまよいながらもいつも他人の――ことに異性の親切、真心をしたい求めるように....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
に帰りついてからは、人が変ったみたいにけち臭くよろずに油断のない男になり、ために
色街は一時さびれたという、この章、遊興もほどほどに止むべしとの戒歟。 (置土産、....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
る。その涙のなかにこそ生命を痛感せる女がいるかもしれないと思った。私は非常識にも
色街の女に人格的な恋を求めに行った。私はこんなところへも肉を漁りに行かなかった。....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
踊る地平線 テムズに聴く 谷譲次 窓 私たちの部屋には、四角な枠に仕切られた二枚の淡
色街上風景が、まるで美術館の絵のようにならんで壁にひらいている。くる日も来る日も....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
た面の顔をまっかに、こうどなり立てている。
よほど逆上しているものらしく、この
色街にあって不粋もはなはだしいことは、源十郎が今にも抜かんず勢いで、刀の柄に手を....
「裸木」より 著者:豊島与志雄
と鼻にくる……。薬品の香のこもった厳粛な実験室だ。その中で鬢附の匂い……そして、
色街《いろまち》のことがふっと頭に浮ぶ……。そうなると、その日は駄目だが、一晩遊....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、それから何か他の習慣にも変りがありませんでしたか」 「そうですねえ。花房の湯は
色街のくせに開店がおそい。それを怒ってましてね。朝がえりのお客の間に合わないでし....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
るまいと思われるのである。結局、源之助のもので一番残って行くものは、吉原その他の
色街の太夫・遊女であったろうと思う。だが、其が彼の素質的なものかどうかは断言出来....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
す。正夫君によろしくいって下さい。学校にはかわりありませんか。 私の宿の近所は
色街で、怪しげな灯影に田舎女郎がちらちらしています。衰えた漁村の行燈に三味線の音....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
女の心中の芝居に熱狂する市民。公娼禁止法が定まっても女の名称を変えて依然繁栄する
色街。それをまた名所として宣伝する観光局。などなど……これみな公衆便所学校の卒業....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
男もあった。かくして午後十一時過ぎの神楽坂は、急にそれまでとは全然違った純然たる
色街らしい艶めいた情景に一変するのであった。 私は毘沙門前の都寿司の屋台ののれ....