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「色里〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色里の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
恋も野暮である。不器量な女の厚化粧も野暮である。「不粋なこなさんぢや有るまいし、色里の諸わけをば知らぬ野暮でもあるまいし」という場合にも、異性的特殊性の公共圏内....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
た》の遊女はお園《その》といって、六三郎よりも三つの年かさであった。十六の歳から色里《いろざと》の人となって今が勤め盛りのお園の眼には、初心《うぶ》で素直で年下....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
かやで、きのう今日は誰もが眼がまわるほどに忙がしい最中に、短い冬の日を悠長らしく色里の居続け遊び、わたくしの用向きは手前|一人《いちにん》が手足を擦り切らしても....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
五ツ前でしたから、無論|嫖客《ひょうきゃく》は出盛り時です。 だのに突如として色里に野暮な叫び声があがりました。 「待て、待て、待たぬかッ。うぬも二本差しなら....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が起きているのでござりましょうか! かたりかどわかしたうえで、どこぞ遠いところの色里へでも売り飛ばしたのでござりましょうか!」 「相手はへびと一つ家に寝起きして....
足迹」より 著者:徳田秋声
んで威張っていた。 養蚕時の忙しい時期を、父親は村境の峠を越えて、四里先の町の色里へしけ込むと、きッと迎えの出るまで帰って来なかった。迎えに行った男は二階へ上....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
善「これこれ水司、何うしたものじゃ、遊女屋の二階でそんな事をしてはいかん、此処は色里であるよ、左様じゃアないか、猛き心を和ぐる廓へ来て、取るに足らん遊女屋の若い....
風流仏」より 著者:幸田露伴
可愛しと思うより、情には鋭き女の勇気をふり起して昔取ったる三味の撥、再び握っても色里の往来して白痴の大尽、生な通人めらが間の周旋、浮れ車座のまわりをよくする油さ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なる眩惑《げんわく》を以て兵馬の眼の前に展開される。 七 島原の誇りは「日本|色里《いろざと》の総本家」というところにある、昔は実質において、今は名残《なご》....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
妻は何処に何うしている事やら、定めし今頃は雪中に埋もれて死んだであろう、さなくば色里に売られて難儀をして居るか、救いたきは山々なれども、此の身さえ儘ならぬ無人島....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
学生がついてるというが、これはたしかに時田らしい。その時田に連れられてきた由也が色里の味を覚え、ヤッコとなじんだのが去年の暮らしく、彼は時田のように遊ぶ金が自由....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
馬石が配置よく置き据えられ、それには楚々とした若竹が、一々、植え添えてあります。色里の色の中とは思えぬ清寂な一とき。木立を距てた離れ座敷から、もう客が来ているも....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ざり》整ひたる吉原の廓《くるわ》に看客《かんかく》を導き、一夜明くれば初春迎ふる色里の賑《にぎわい》を見せて、ここにこの絵本を完了す。 北斎の精密なる写生は挿....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
僧は一々、相手方の女に問い訊しては、事を運ぶのであった。あまりに僧が子供のように色里の客になる態度を、人に正直に聞くので、それが可笑しいとて忽ち楼中の評判になっ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
は悪口を申して無礼を働いた故、捨置かれんから手打にするんだ、汝は何だ」 仙「エ、色里へ来て塗箸見たような物を一本半分差して、斬るの殴るのと威張って、此の頃|道哲....