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色鉛筆
「色鉛筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色鉛筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
もうろう》たる影を書物の上へ落すか落さない内に消えてしまった。その書物の上には、
色鉛筆の赤い線が、何本も行《ぎょう》の下に引いてあった。そうしてそれが時の移ると....
「火の鳥」より 著者:太宰治
、傍から、ひったくるようにして、受け取り、顔をしかめて開いて見た。紙ナプキンに、
色鉛筆でくっきり色濃くしたためられていた。 ――さっき、あたしの舞台に、ずいぶ....
「新生」より 著者:島崎藤村
た。その店で彼は自分の子供等のために仏蘭西《フランス》風の黒い表紙のついた帳面や
色鉛筆なぞを見立てた。狭い鞄《かばん》の中へ入れて行く僅《わずか》の巴里土産《パ....
「惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
丘の幻惑、カーバイト倉庫、コバルト山地、霧とマッチ、電線工夫、マサニエロ、栗鼠と
色鉛筆、オホーツク挽歌、風景とオルゴール、第四梯形、鎔岩流、冬と銀河鉄道――エト....
「生きている腸」より 著者:海野十三
計や比重計や温度計の前を、かわるがわる往ったり来たりして、首にかけた方眼紙の上に
色鉛筆でもってマークをつけていった。 赤と青と緑と紫と黒との曲線がすこしずつ方....
「わが町」より 著者:織田作之助
壁にはいつの間に描いたのか、丸まげに結った女と、シルクハット姿の男の顔が茶色の
色鉛筆で描いてあり、それぞれ、 「君チャンノオカアチャン」 「君チャンノオトウチ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
縦走すると言う人があったと言ったら、彼は今年はまだやった人はないし、それは地図に
色鉛筆で見事な線を引くだけの鉛筆登山というのだろうという。私もなるほどそれに違い....
「祖母」より 著者:楠山正雄
いまいた。美しく描かれた梅や牡丹や菊や紅葉の花ガルタは、その晩から一雄の六｜色の
色鉛筆で惜しげもなく彩られてしまいました。 明くる日の朝、赤や青や黄に醜く塗り....
「科学に志す人へ」より 著者:寺田寅彦
記憶があたかも美しい青春の夢のように心の底に留まっている。例えば、当時流行した紫
色鉛筆の端に多分装飾のつもりで嵌められてあったニッケルの帽子のようなものを取外し....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
らしい譜本を買いたいわ。」 エミイも、きっぱりと、 「あたし、フェバアの上等の
色鉛筆がほしいわ。ほんとにあたしいるんですもの。」と、いいました。ジョウは、 「....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
し。」 「僕が勝ったら、何をくれる？」 「ナイフをやらあ。」 「じゃ、僕負けたら
色鉛筆をやる。」 「ようし、……ほら五疋。……あっ、畜生、またはずしちゃった。こ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
のだけあればいいや。」 「また、すぐ買いたくなるんじゃないのかい。」 「ううん、
色鉛筆で間にあわせるよ。」 「でも、次郎は万年筆なんかまだいらないだろう。」 「....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、それらは、先生の読みふるしの本とちがって、かなり装幀がくずれており、どの頁にも
色鉛筆で、線や圏点が入れてあった。――集会の折の話題の半分以上は、この部屋での読....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
、汚れた褞袍、シャツ、二三の文房具、数冊の本、サック、怖しげな薬、子供への土産の
色鉛筆や菓子などというものがはいっていた。 さすがに永いヤケな生活の間にも、愛....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
も鳴りいでにけむ 鐸鳴らす路加病院のおそざくら春も今しかをはりなるらむ 草わかば
色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝て削るなり いつしかに春のなごりとなりにけり昆布....