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「色魔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

色魔の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
か云う男は、藤沢なんぞの話によると、独唱家《ソロイスト》と云うよりゃむしろ立派な色魔だね。」と、また話を社会生活の暗黒面へ戻してしまった。 が、幸《さいわい》....
男女同権」より 著者:太宰治
になりますと、たちまちその女は金切声を挙げて、ああ、あのおそろしい顔! 悪魔だ!色魔だ! 処女をかえせ! 貞操|蹂躙《じゅうりん》! 損害賠償! などと実に興覚....
人間失格」より 著者:太宰治
でした。自分は、それ以来、シゲ子にさえおどおどしなければならなくなりました。 「色魔《しきま》! いるかい?」 堀木が、また自分のところへたずねて来るようにな....
雪の白峰」より 著者:小島烏水
に、九時頃より一人、後《うしろ》の天守台に上り、夜霧の彼方に朧ろなる彼《か》の白色魔を眺め、気のまよいか、白鳥のあたりだけは、鮮やかなるようの心地いたし候。(十....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
た。 こうして僕が味わった女の数は、百を越えている。こんなことを、貞操蹂躙とか色魔とか云って大騒ぎする奴の気が知れない。『洗滌すれば、なにごともなかったと同じ....
たずねびと」より 著者:太宰治
時の、私の気持は、妙なものでした。私は自分を、女の心理に非常に通暁している一種の色魔なのではないかしらと錯覚し、いやらしい思いをしました。ボロ服の乞食姿で、子供....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
焚火を中にして二人の男が茶碗で酒を呑んでいる。 五味多四郎と権九郎とである。色魔らしい美しい多四郎の顔は、酒と火気とで紅色を呈し、馬鹿に機嫌がよいと見えての....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
易に信じられなかったのである。そして死んだ権四郎の名声はいよいよ落ち、彼を稀代の色魔と呼ぶ者、また稀代の喰わせ者と呼ぶ者が現れるかと思うと、更に悪感情は若き未亡....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ない。まず男については聖人か君子か、おめでたいか、悪人か、厭な奴か、善良な者か、色魔か、福相か、貧相か、馬鹿か、目から鼻へ抜けるけちな奴か、等の区別をつける位の....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
」 博士の目にランランたる憎しみの光がこもって、 「久保という男は、天下名題の色魔だよ」 まるで私に食ってかゝる見幕である。私も腹にすえかねて、 「そうです....
三十歳」より 著者:坂口安吾
、恰好のつかなさ、空虚さに、ゲンナリしてしまったものだ。その間の悪さは、何か私が色魔で、現にあなたをタブラカシつつあるように、私自身に思わせたりしたが、それはつ....
再度生老人」より 著者:佐左木俊郎
うような素振りを見せる。だがわしは、そんなことをされると、かえって描かん。あんな色魔のような坊主に、自分の描いたものをやりたくない。わしはそういう性分じゃ。」 ....
百喩経」より 著者:岡本かの子
安ウイスキーを嘗めて居た亭主は全身に興味の鱗を逆立てた。 「そいつあ、面白えな。色魔だな。うまく煽てて石膏の一つも売りつけてやれ。売りつけねえと承知しねえぞ」 ....
俗臭」より 著者:織田作之助
右衛門の帰宅の日を「神さん」の先生がいい当てたのが動機である。「神さん」の先生は色魔ということだから、早晩、児子家では、家庭争議があるだろうと専ら噂されている。....