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色鳥
「色鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を平びたいにかざしていた。五つ衣《ぎぬ》の上衣《うわぎ》は青海波《せいがいは》に
色鳥の美しい彩色《つくりえ》を置いたのを着て、又その上には薄萌黄《うすもえぎ》地....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
が、秋の野山へ鷹狩に、大勢で出掛けました。皆知っておいでだろう。空は高し、渡鳥、
色鳥の鳴く音は嬉しいが、田畑と言わず駈廻って、きゃっきゃっと飛騒ぐ、知行とりども....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
ぱっと空を蔽うまで、花やかに目に飜った、と見ると颯と近づいて、眉に近い樹々の枝に
色鳥の種々の影に映った。 蓋し劇場に向って、高く翳した手の指環の、玉の矜の幻影....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
のほかに人がない。――私はなぜかゾッとした。あの、翼、あの、帯が、ふとかかる時、
色鳥とあやまられて、鉄砲で撃たれはしまいか。――今朝も潜水夫のごときしたたかな扮....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
えがくれに行く段取だから、急ぐにゃ当らねえ。別して先方は足弱だ。はてな、ここらに
色鳥の小鳥の空蝉、鴛鴦の亡骸と言うのが有ったっけと、酒の勢、雪なんざ苦にならねえ....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
と言う。 十一二の編さげで、袖の長いのが、後について、七八ツのが森の下へ、兎と
色鳥ひらりと入った。葭簀|越に、老人はこれを透かして、 「ああ、その森の中は通抜....
「織成」より 著者:田中貢太郎
つめていた。 遥か遠くから一艘の楼船が来たが、すぐ傍へ来ると窓を開けた。一羽の
色鳥が飛んで来たようにして織成が帰って来た。すると窓の中から金帛珍物をこちらの舟....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
そのつどお前の軟かい肌が、俺の体へぶつかるばかりだ! 小鳥よ、捕らえた! 可愛い
色鳥!」 ズルズルと引き立てて行こうとした。 その秀次の両の足を、しっかりと....
「旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
鵯《ひよどり》の声左右にかしましく 我なりを見かけて鵯《ひよ》の鳴くらしき
色鳥の声をそろへて渡るげな 秋の雲滝をはなれて山の上 病みつかれたる身の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
だが、かかる場合、逃げれば逃げるほど、お十夜の執念は増すばかり、お綱を傷ついた
色鳥と見れば、彼は情炎の猟犬に等しい。 今しも、だんだんに追いつめてきた奥廊下....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
よって感じが違うのであります。 庭の木に来しは目白や浜日和 海岸の庭にも時々|
色鳥が来ます。
色鳥というのは秋になると渡って来る毛色の美しい多くの小鳥のことであ....