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色黒
「色黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
色黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
や藻屑《もくず》のつきたれども打ち払わず。頸《くび》細くして腹大きに脹《は》れ、
色黒うして足手細し。人にして人に非ず。」と云うのですが、これも大抵《たいてい》は....
「たき火」より 著者:国木田独歩
額縁《がくぶち》めきたるを拾いて、これを焼くは惜しき心地すという児《こ》の丸顔、
色黒けれど愛らし。されどそはかならずよく燃ゆとこの群の年かさなる子、己《お》のが....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
から十円のおでんなどがみられた。 屋根のある家に、新|乾し海苔とて、近頃にない
色黒く艶よろしいものを発見、一帖八円のもの五帖買求めて土産にした。ほかにみかん十....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
で、佐助の機嫌をとるために、 「山本勘助どのは左めっかち、右びっこ、身の丈|矮く
色黒く、信玄どのも驚かれたという男振りでござったが、知慧にかけては天下第一の器量....
「わが町」より 著者:織田作之助
と、義枝はしきりに竈の下を覗いていた。新聞紙を突っ込み、薪をくべ、音高く燃えて、
色黒い義枝の横顔に明るく映えていた。ふと振り向いたその眼が赤く、しばたたき、煙の....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
貞の六千の新手に正面の明軍を譲った。明軍の進撃の有様を書いたものに、 「敵の人数
色黒み備|閑かにして勢い殊之外見事也。間近になると拍子を揃え太鼓を鳴らし大筒を打....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
も此人は如何なればかゝる細工をする者ぞと思うに連れて瞳は通い、竊に様子を伺えば、
色黒からず、口元ゆるまず、眉濃からずして末|秀で、眼に一点の濁りなきのみか、形状....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
飲み干し、身を椅子に投ぐるや、貞二と叫びぬ。 声高く応してここに駆け来る男は、
色黒く骨たくましき若者なり、二郎は微笑みつ、早く早くと優しく促せり。若者はただい....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
なく苦りきっていたといいます。父は高座へ上ればすぐ自分の顔の色のことを言うくらい
色黒で、鼻も平べったい方でした。 その時、母はいいわけするのもあほらしいという....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
と思いし時は、もう斎場へ入られし後なりき。その時先生を見誤りしは、当時先生の面の
色黒からざりし為なるべし。当時先生は陸軍を退かれ、役所通いも止められしかば、日に焼けらるる事もなかりしなり。(未定稿)....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
の妻は見向きもしなかった。相手があくまでも情ないほど、師直の恋はいよいよ募って、
色黒く骨たくましい坂東武者もこの頃は恋い死なぬばかりに思いわずろうている。この病....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
より高し。おりおり川鳥ききと鳴きて、水面を掠む。雀を二倍したる位の大さにて、羽の
色黒し。この鳥陸上に食を得る能わず。さればとて、水掻なければ、水にも浮べず。木に....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
じておいた。(少彦名命の研究五巻一号一六頁以下)それをソホトというは赭人で、なお
色黒き民族を、クロンボすなわち黒人と云うと同じ振合いのものであろう。彼らは一方に....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
しきりに竈の下を覗いていた。新聞紙を突っ込み、突っ込み、薪をくべ、音高く燃えて、
色黒い義枝の横顔に明るく映えていた。ふと振り向いたその眼が赤く、しばたき、煙のせ....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
よもや、返すのをいやだと仰せられますまい。 花の手に育った松吉はそれに引換えて
色黒で頑丈なしっかりした児でした。しかし、花は弱くっても、悪質の遺伝を持っていて....