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艶冶
「艶冶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艶冶の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、測《はか》らず邂逅した孤軒老師から、新しく智恵をつけられ、翌日、翌々日、無事に
艶冶《あでや》かなすがたを、舞台に見せつづけていた。
すると、三日目に、こちら....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
姉の柵は返辞をしない。で室の中は静かであった。柵は三十を過ごしていた。とはいえ
艶冶たる風貌は二十四、五にしか見えなかった。大変|窶れていたけれど美しい人の窶れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あとですから、人心は極度に緊縮されてはいるけれど、土地そのものが本来、そういった
艶冶《えんや》の気分をそなえているものであれば、絆《きずな》を解かれて、ここへ放....
「明治大正美人追憶」より 著者:長谷川時雨
いんしんは、彼地から美女を奪ったといえる。徳川三百年、豊麗な、腰の丸み柔らかな、
艶冶《えんや》な美女から、いつしか苦味をふくんだ凄艶《せいえん》な美女に転化して....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
も、大劇場へ行っても悪びれさせないだけの資格をそなえている。貞奴のあの魅惑のある
艶冶《えんや》な微笑《ほほえ》みとあの嫋々《じょうじょう》たる悩ましさと、あの楚....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
見えていて、男心を捕えるのに妙を得て、奔放自在、しかもどっかに才気の閃きを見せて
艶冶である、こんな少女を、一体どこで見つけて来たのだろうと、前川は感嘆しながら、....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
たちが豊艶なように、その肉声も艶美だ。目をつぶって聴いていると、阪地の人特有な、
艶冶《えんや》な媚《こび》がふくまれている。彼女に凄《すご》さを求めるのは無理で....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
ーバーの中へしっかりと抱き寄せられた美しい色白長身の芸者の婀娜姿だけは、たしかに
艶冶《えんや》な彼の「舌」から蘇ってくる。その三亀松の非発売レコードに、例の「新....