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艶書
「艶書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艶書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《しゅんぷう》のように吹きこんで参りました。歌合《うたあわ》せ、花合せ、あるいは
艶書合《えんしょあわ》せなどが、以前にも増して度々御催しになられたのは、申すまで....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
とうその手紙を開いて見た。すると、その手紙は思いもよらないほかの男から妻へ宛てた
艶書《えんしょ》だったのだ。言い換えれば、あの男に対する妻の愛情も、やはり純粋な....
「葱」より 著者:芥川竜之介
吹き落してしまった。下にいる女髪結は、頻々《ひんぴん》としてお君さんの手に落ちる
艶書《えんしょ》のある事を心得ている。だからこの桃色をした紙も、恐らくはその一枚....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
森「大形《おおぎょう》になりやしたなア、こりゃアお前さんが書いたのかね」 あ「
艶書《いろぶみ》が人に頼まれるものかね」 森「それじゃア機嫌の好い時に届けやし....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
をみはった。 少将実雅はかねて自分に恋していたと玉藻は語った。恋歌《こいか》も
艶書《えんしょ》も千束《ちつか》にあまるほどであったが、玉藻はどうしてもその返し....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
と云い目科は更に余に向いて「君、あの卓子の中などを検めたまえ必ず藻西倉子の写真や
艶書などが入て居るから」と云う、余は其命に従わんとするに生田は痛く憤り拳を握りて....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
が忌でございます、只御主人さまでいらっしゃれば有難い若殿さまと思って居りますが、
艶書をお贈り遊ばしたり、此の間から私にちょい/\御冗談を仰しゃることもあって、そ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
、その人の自由ではない。いわんや「私はあなたを恋します」といって見知りもせぬ女に
艶書を贈り、それで何ものかを与えたごとく考え、その女が応じなかった場合には立腹す....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
致しては相済みませんが、捨置かれませんから心配して開封いたしましたが、山平へ送る
艶書を拾いました」 重「どう見せろ」 傳「何うか御立腹でございましょうが内聞のお....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
「まさか、金瓶梅……」 「紅楼夢かも知れないよ。」 「何だ、紅楼夢だ。清代第一の
艶書、翁が得意だと聞いてはいるが、待った、待った。」 と上目づかいに、酒の呼吸....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
では心ゆかず、やがて絵の具をつかい出した。 けれども、男の膚は知らない処女の、
艶書を書くより恥かしくって、人目を避くる苦労に痩せたが、病は嵩じて、夜も昼もぼん....
「葬られたる秘密」より 著者:小泉八雲
顕れなかった。 手紙は焼き棄てられた。それはお園が京都で修業していた時に貰った
艶書であった。しかしその内に書いてあった事を知っているものは和尚ばかりであって、秘密は和尚と共に葬られてしまった。....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
其処に入らっしゃる丹三郎様ぐれえの年恰好で、貴方に能く肖ているお方サ、すると女の
艶書の伝を児守子に頼んで手紙を其のお侍に渡すと、お侍が惚れた女からよこした手紙だ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
が、更にその以上に徹底したものであった。小坂部の腹では、能文のきこえの高い兼好に
艶書を書いて貰って、見る眼も綾なる文章に限りなき思いを訴えてやったら、塩冶の妻の....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
の意見に服し、その説に聴くこと十余年。いまだこの日のごときを知らなかった。三面|
艶書の記者の言、何ぞ、それしかく詩調を帯びて来れるや。 惘然として耳を傾くれば....