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「艶福〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

艶福の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
職工と微笑」より 著者:松永延造
神的な方へ材料を代えて、ラファエルの運命の三女神中何れが魅惑的かと尋ね、ゲーテの艶福を評したり、態と椅子をガタガタさせ乍らベトーヴェンが悲劇的な男である理由を聞....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
ていたのじゃがなもし――」 「へえ、不思議なもんですね。あのうらなり君が、そんな艶福《えんぷく》のある男とは思わなかった。人は見懸《みか》けによらない者だな。ち....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
。主人、迷亭、独仙、寒月、東風の五君は恭《うやうや》しくコップを捧げて、三平君の艶福《えんぷく》を祝した。三平君は大《おおい》に愉快な様子で 「ここにいる諸君を....
あの時分」より 著者:国木田独歩
に生き生きした色がありません、灰色の霧が包んでいるように思われます。 「けれども艶福の点において、われわれは樋口に遠く及ばなかった」と、上田は冷ややかに笑います....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
その頃、同じ城内に、悪病の為に鼻の欠け落ちた男がいて、しかもこの男は、かなりの艶福を得たかの如く言い触らし、それが万更法螺でもなく、たしかに二三の艶福があった....
風流仏」より 著者:幸田露伴
らるゝよし侯爵は英敏閑雅今業平の称|空しからざる好男子なるは人の知所なれば令嬢の艶福多い哉侯爵の艶福も亦多い哉艶福万歳|羨望の到に勝ず、と見る/\面色赤くなり青....
社会時評」より 著者:戸坂潤
身につけた人のように思われる。平凡に批評すれば温厚な学徒という所であるが、仲々の艶福家だという、否、だったということを聞く。ジャーナリストとしての資格も具わり文....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は「須勢理姫《すさりひめ》」の名を書いている。 この女性は、神代に於ける第一の艶福家|大国主命《おおくにぬしのみこと》のために、嫉妬の犠牲となった痛ましい女性....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
持で草鞋《わらじ》の紐《ひも》を解く。 それにしても、今日は関守氏、ことのほか艶福の日と見えて、走井の水をたずねた時は花売りの乙女――寒雪画伯の別荘で名所を見....
黒百合」より 著者:泉鏡花
って、頬の引掻競。やい、それと声を懸けるばかりで、車夫も、馬丁も、引張凧になった艶福家島野氏も、女だから手も着けられない。 「留めておやり。道や、」 「ちょいと....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
自慢にしてる事柄をあまり注意してもくれないことに、同じく不満を覚えた。彼は自分の艶福《えんぷく》や幸運の話をして、相手を煙に巻いてやろうとした。しかしそれは無駄....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
事が出来る身分となっていた。が、富は界隈に並ぶ者なく、妻は若くして美くしく、財福艶福が一時に集まったが、半世の奮闘の労れは功成り意満つると共に俄に健康の衰えを来....
」より 著者:正岡子規
て後にもし生き還ると義理が悪いからやはり秘密にしておくも善かろう。とにかく今日は艶福《えんぷく》の多い日だッた。……………………日の立つのは早いもので最《も》う....
三国志」より 著者:吉川英治
とするから。――と、かような言葉なのでした」 「えっ。……では、董太師が、おれの艶福をからかう心算で、つれておいでになったのか」 「そうです。将軍のてれる顔を酒....