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艶聞
「艶聞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艶聞の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「律子と貞子」より 著者:太宰治
結婚のほうにも差支えるか。」 「まさか。」三浦君は苦笑して、次のような羨やむべき
艶聞《えんぶん》を語った。
艶聞というものは、語るほうは楽しそうだが、聞くほうは、....
「行人」より 著者:夏目漱石
》で本題に這入《はい》った。それは彼の友達と云うよりもむしろずっと後輩に当る男の
艶聞《えんぶん》見たようなものであった。もっとも彼は遠慮して名前を云わなかった。....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
んかした事はなさそうじゃないか」と主人も正面から細君に助太刀をする。「そりゃ僕の
艶聞《えんぶん》などは、いくら有ってもみんな七十五日以上経過しているから、君方《....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
ら、だいぶ金を使って風流《ふうりゅう》をやったそうだ」 「その人の事について何か
艶聞《えんぶん》が――
艶聞と云うと妙ですが――ないでしょうか」 「いや才三につい....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
、あなたの御乱心を噂して居ります。」 ハム。「乱心? それあ、また滅茶だ。僕は
艶聞か何かだと思っていた。ばかばかしい。見たら、わかるじゃないか。どこから、そん....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
美しく賢《けん》なる伴侶《はんりょ》がある。 大橋夫人は美しかった故にそうした
艶聞誤聞を多く持った。 長者とは――ただ富があるばかりの名称ではない。渋沢男爵....
「女と帽子」より 著者:豊島与志雄
のだから、波江さんとのことを随分誤解されて、陰でいろいろ噂に上ったりして、とんだ
艶聞を流しましたね。いけないのは、あなたが評論家として少し知られてきたことで、彼....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
時に優《やさ》しき歌を詠《うた》うとか、石部金吉《いしべきんきち》と思われた者に
艶聞《えんぶん》があるとか、いずれも人生の表裏であるまいか。しかしこれあるは決し....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
催される大異装舞踏会《ヴェグリオーヌ》の仮装服《ドミノ》の相談、ヴェニス王女の御
艶聞、イヴァン・モジュウヒンの御挨拶の前景気、と、いつ果てるともみえない鴉舌綺語....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
に附してしまったから今|以て不可解である。二葉亭は多情多恨で交友間に聞え、かなり
艶聞にも富んでいたらしいが、私は二葉亭に限らず誰とでも酒と女の話には余り立入らん....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
してしまいます、」と下等な遊びを自白して淋しそうに笑った事があった。その頃緑雨の
艶聞がしばしば噂された。以前の緑雨なら
艶聞の伝わる人を冷笑して、あの先生もとうと....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
けではありません。この回の現在、清盛は四十四歳、職位は権中納言参議、かの常磐との
艶聞があったりして、男盛りではありますが、まだまだ太政入道の世盛りには間がありま....