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「艶色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

艶色の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
いた。紅や白粉《おしろい》もわざと淡《うす》くしていた。しかもそれが却って彼女の艶色を増して、玉のような面《おもて》はいよいよその光りを添えて見られた。堪えられ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
って虎を殺した、怪我の高名と心付かぬ王は武勇なる者まさに絶美の女に配すべしとて、艶色桃花のごとき妙齢の姫君を由緒|不知《しれず》のかの小男の妻に賜ったという。蕭....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
被レ成、御政務の御事繁く、平人と違ひ、年中に私の御暇有る事稀也、然ども遊女などの艶色を御覧の為にはあらざれ共、遊女はもと白拍子《しらびょうし》なり、されば御評定....
十二支考」より 著者:南方熊楠
スの妻レーダに懸想し、天鵞に化けてこれを孕《はら》ませ二卵を産んだ。その一つから艶色無類でトロイ戦争の基因たるヘレネー女、今一つから、カストルとポルクスてふ双生....
風流仏」より 著者:幸田露伴
越しの雪見に昆布を蒲団にしての湯豆腐を粋がる徒党にも加わらねば、まして島原祇園の艶色には横眼遣い一トつせず、おのが手作りの弁天様に涎流して余念なく惚れ込み、琴三....
古狢」より 著者:泉鏡花
だった。――※、鮠、鮴の類は格別、亭で名物にする一尺の岩魚は、娘だか、妻女だか、艶色に懸相して、獺が件の柳の根に、鰭ある錦木にするのだと風説した。いささか、あや....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
そとばこまち》が授けた短冊に向って歌を案じている。気品も充分だし、尼さんとしては艶色《えんしょく》したたるばかりと見られるばかりであります。 お銀様は夢のうち....
役者の一生」より 著者:折口信夫
う草刈り女から大名の愛妾になったという女に扮した時の批評に、贋阿弥の「国を傾ける艶色という柄にははまりました」とあることによっても窺われる。そしてその美しさは、....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
い娘さんのできている同君のお嬢ちゃんが、いまだその今の娘さんぐらいのじぶんで、「艶色落語講談鑑賞」の「牡丹燈籠」の中でも書いたが、貧しい中から遠来の泊まり客たる....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
もともと、この事件は自分が発頭人ともいうべきであって、塩冶の内室の世にたぐいなき艶色を自分がうかうかと吹聴したればこそ、師直の胸に道ならぬ恋の種を播いたので、下....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
やさしく、色の清げに美しさは、古井戸を且つ蔽いし卯の花の雪をも欺きぬ。……類なき艶色、前の日七尾の海の渡船にて見参らせし女性にも勝りて)……と云って……(さるに....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
もんだ。その時分はマダ今ほど夫婦連れ立って歩く習慣が流行らなかったが、沼南はこの艶色|滴たる夫人を出来るだけ極彩色させて、近所の寄席へ連れてったり縁日を冷かした....
私本太平記」より 著者:吉川英治
だけが、ふかい性の真髄味を知るものとはいえないようだ。 かたちのうえでは至って艶色に遠く、心のあやでも、無表現としか見えないような仲でもそのふたり以外には窺い....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
や姉からこれをもらったことを覚えている。 カフェータイガーの名は新しいが、その艶色は天下に轟いている。西洋料理屋の名を艶名とは如何とは、いうものが野暮である、....