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艶麗
「艶麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
艶麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
様にご心配をかけては済みません。)
(あれ、嬢様ですって、)とやや調子を高めて、
艶麗《あでやか》に笑った。
(はい、ただいまあの爺様《じいさん》が、さよう申しま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、紅ちらめく袖は長いが、不断着の姿は、年も二ツ三ツ長けて大人びて、愛らしいよりも
艶麗であった。 風呂敷包を左手に載せて、左の方へ附いたのは、大一番の円髷だけれ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
の当城殿様、お鷹狩の馬上から――一人|町里には思いも寄らぬ、都方と見えて、世にも
艶麗な女の、一行を颯と避けて、その宮へかくれたのを――とろんこの目で御覧じたわ。....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
善いとも悪いとも言おうがままだ。俺はただ屋の棟で、例の夕飯を稼いでいたのだ。処で
艶麗な、奥方とか、それ、人間界で言うものが、虹の目だ、虹の目だ、と云うものを(嘴....
「女客」より 著者:泉鏡花
民は、よろけながら段階子。 「謹さん。」 「…………」 「翌朝のお米は?」 と
艶麗に莞爾して、 「早く、奥さんを持って下さいよ。ああ、女中さん御苦労でした。」....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
立っているのさえ出来ていた。 私とは、ちょうど正面、かの男と隣合った、そこへ、
艶麗な女が一人腰を掛けたのである。 待て、ただ
艶麗な、と云うとどこか世話でいて....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
…おお、天晴なお婿はん。 さあ、お嫁はん、お酌しょうな。」 と軽く云ったが、
艶麗に、しかも威儀ある座を正して、 「お盞。」 で、長柄の銚子に手を添えた。 ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
なかが大きくおなり遊ばしたよ。」 「む、これかえ。」と俯向きて、胸を見て、小親は
艶麗に微笑を含みぬ。 一同目を着け、 「ほんにね。おやおや!」 「だから、お芽....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、青い苔の生えた濡土である。 勇美子は手を着いて、覗くようにした。眉を開いて、
艶麗に、 「何です。」 滝太郎は背を向けてぐっと澄まし、 「食いつくよ、活きて....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。それ等の中には橘姫よりも遥かに家柄の高いお方もあり、又縹緻自慢の、それはそれは
艶麗な美女も居ないのではないのでした。が、それ等は言わば深窓を飾る手活の花、命の....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
知っている。ただしこの様子では、胸も痛めず、怪我はしない。 しゃり、り、揚幕。
艶麗にあらわれた、大どよみの掛声に路之助|扮した処の京の芸妓が、襟裏のあかいがや....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に溺れようとした時、大な魚に抱かれたと思って、浅瀬へ刎出されて助かった。その時、
艶麗、竜女のごとき、おばさんの姿を幻に視たために、大笹の可心寺へ駈込んで出家した....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
菱田鹿の子の帯揚をし、夜会結びの毛筋の通った、色が白い上に雪に香のする粧をして、
艶麗に座に着いたのは、令夫人才子である。 「いらっしゃい、誰方、」と可愛い目で連....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
とく扱うこと、ここにありてもまたしかり。 さて、打咳き、 「トこの天窓の上へ、
艶麗に立たれた時は、余り美麗で、神々しくッて、そこいらのものの精霊が、影向したか....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
双の瞼は、細く長く、たちまち薬研のようになって、一点の黒き瞳が恍惚と流れた。その
艶麗なる面の大きさは銅像の首と相斉しい。男の顔も相斉しい。大悪相を顕じたのである....