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芋を洗うよう
「芋を洗うよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芋を洗うようの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。ここらにも避難者がたくさん集まっているので、どこの湯屋も少しおくれて行くと、
芋を洗うような雑沓で、入浴する方が却って不潔ではないかと思われるくらいであったが....
「斜坑」より 著者:夢野久作
って、油売り半分の面白半分といった調子で、ワイワイ騒ぎ立てたので、狭い坑道の中が
芋を洗うようにゴッタ返したが、その中に、浮上った炭車の車輪の下から、思いがけない....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
優、活動写真技師、女給なぞが、次から次に引っぱり出されて来る。十坪ばかりの空地が
芋を洗うように雑沓して来る。 そのうちに背後の扉が開いた音がしたので、ハッとし....
「探偵小説の正体」より 著者:夢野久作
と説明している。 吾々がこの血も涙も無い資本万能の、唯物科学的社会組織の中で、
芋を洗うように……もしくは洗われるように押し合いへし合い、小突き合い、ぶつかり合....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
よう、低い鼻は蹂躙しようと、互に押し合いへし合いました。 こうして世界の歴史は
芋を洗うように転変し、その文化は雑草のように興亡しました。 ………………………....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
こから艦長の丸顔が現れた。あとには先任将校が続いてのぼってくる。狭い艦橋の上は、
芋を洗うようにお互の体がぶつかった。 「おお、あれだな」 と艦長水原少佐が、入....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ら息子、貴賤老若、粋《すい》不粋《ぶすい》、千態万様、さながら浮き世の走馬燈で、
芋を洗うような雑沓。
金も拾いたいし、お嬢さんにも近づきたい……欲と色の綯《な....
「小さな旅」より 著者:富田木歩
、で、早速俥は引き返された。間もなく白鬚も後にして諸会社から吐き出された職工達の
芋を洗うようにこみ合う中を縫うて進んだ。 蘆はたまたま家並の間に僅か許り見られ....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
のが当然に思われる。然し、村の小学校の講堂で、ともかくジャズバンドの演奏につれて
芋を洗うように組つき合ってゴロゴロのたくりまわっている男女たちは、まるで土の中の....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
取払われ、舞台から客席まで、平面の大広間になっている。かれこれ二千人近くの来賓が
芋を洗うように立っている。しかも静粛に何時間か立ちづめである。社交的訓練が行届い....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
った。ここらにも避難者が沢山あつまっているので、どこの湯屋も少しおくれて行くと、
芋を洗うような雑沓で、入浴する方がかえって不潔ではないかと思われるくらいであった....