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芋粥
「芋粥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芋粥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
《もら》った始めである。
爾来《じらい》程なく、鈴木三重吉氏の推薦によって、「
芋粥《いもがゆ》」を「新小説」に発表したが、「新思潮」以外の雑誌に寄稿したのは、....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
」ではない。気になるから、書き加える。(新思潮第六号)
○僕は新小説の九月号に「
芋粥《いもがゆ》」という小説を書いた。
○まだあき地があるそうだから、もう少し書....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
同時に又そこに一しょにいた或友だちのことを思い出した。彼は彼自身の勉強の外にも「
芋粥《いもがゆ》」と云う僕の短篇の校正刷を読んでくれたりした。………
そのうち....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
になりとはなにを申すぞ、首尾ようつれて参ったら、のろけを聞かしたその罰に、うんと
芋粥の馳走をしろよ」 愛撫のこもった揶揄《やゆ》を愛妹にのこしておいて例のごと....
「山椒大夫」より 著者:森鴎外
はならいで、歯に障《さわ》る。わしがところではさしたる饗応《もてなし》はせぬが、
芋粥《いもがゆ》でも進ぜましょう。どうぞ遠慮せずに来て下されい」男は強《し》いて....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
、東京と京都の区別を知らない。鳴海絞《なるみしぼり》の兵児帯《へこおび》を締めて
芋粥《いもがい》に寒さを凌《しの》いだ時代と、大学を卒業して相当の尊敬を衣帽《い....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、 「わッははは。軍師が違うわ。うしろ楯におつき遊ばす軍師がお違い申すわ。夜食に
芋粥でも鱈腹すすって、せいぜい寝言でも吐かッしゃい」 すういと消えていった主水....
「魚の序文」より 著者:林芙美子
ものは案外美しいところなのね」 朝。彼女は一|坪《つぼ》ばかりの台所で関西風な
芋粥《いもがゆ》をつくりながらこんな事を云った。 「結局、墓場は墓場だけのものさ....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
ゆる反撥を知的な優越と芸術への献身に打込もうとしていた彼の文学的発足が、「鼻」「
芋粥」「羅生門」のようなものであったことも考えさせるものを持っている。「侏儒の言....
「十姉妹」より 著者:山本勝治
、すがりつく様に言った。 「慎作、粥、温めるかい」 慎作は首を振って、冷めたい
芋粥を水の様に流し込んだ。たかが些細な十姉妹の問題だ、自己の主義主張と家人の行動....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
横に寝ていた者までが起き直って、おやじはそれに薪を加えました。見れば、大きな鍋で
芋粥《いもがゆ》をこしらえているらしい。 「御免下さい、御同宿の方々はお賑《にぎ....
「まかないの棒」より 著者:黒島伝治
行っていた父母が帰った。 祖母は、風邪には温いものがいいだろうと云って、夕飯に
芋粥を煮た。京一は、
芋粥ばかりを食い、他の家族は、麦飯に少しの
芋粥を掛けてうまそ....
「朱欒の花のさく頃」より 著者:杉田久女
西南戦争で命からがら燃えつつある鹿児島を脱出して、桜島に逃げ民家の床下にかくれて
芋粥をもらったり、山中に避難している中官軍の勝になったので、県の書類丈を身にしょ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
を眺めて、すぐ入って来た。そして
「婆、ござらしたぞ」
と、云った。
「先生、
芋粥が――」
玄白斎は、頷いた。そして、眼を開いて、身体を起して
「わしには判....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
ぬが、この雪に、そんな所においでなされては、凍え死にまする。――土間へ這入って、
芋粥なと召し喰がりませ」 「かたじけない――」と、心蓮は、雪と共に、戸の内へ飛び....