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芝原
「芝原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芝原の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
た時には、ただ微風に戦《そよ》いでいる夾竹桃の植込みが、人気《ひとけ》のない庭の
芝原を透《す》かして見せただけであった。
「まあ、気味の悪い。きっとまた御隣の別....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
着、停車場《ステーション》前の太平旅館に荷物を投込み、直ちに水戸公園を見物する。
芝原《しばはら》広く、梅樹《ばいじゅ》雅趣を帯びて、春はさこそと思われる。時刻は....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
へ出かける。朝の潮干には蛤をとり夕浜には貝を拾う。月待草に朝露しとど湿った、浜の
芝原を無邪気な子どもを相手に遊んでおれば、人生のことも思う機会がない。 あって....
「花物語」より 著者:寺田寅彦
は露を浴びて、素足につっかけた兵隊靴をぬらす。ばったが驚いて飛び出す羽音も快い。
芝原のまわりは小松原が取り巻いて、すみのところどころには月見草が咲き乱れていた。....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
けねえ、ぎゃア/\云わねえ様に猿轡でも箝めて、庄吉と二人で葉広山へ担いで行って、
芝原の綺麗な人の来ねえ処で、さて姉さん、是程惚れて居る者を宜く此間は大滝村で恥を....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
年といっしょに、日曜を利用した山登りをやっていたのである。その山登りというのは、
芝原水源地の奥にあるカンヌキ山の頂上まで登ることであった。 春木少年が、この町....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
、浴場)、洗濯工場などがアチコチに立っている。そしてそれらの建物の間には、綺麗な
芝原だの、運動場だのいろいろの畑だのがつくられている。 さて、この監獄が日本第一....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を見て杜《もり》へ入ると、気分が全く転換する。
雑林地帯と違って、下萌えのない
芝原に、スクスクと生い立った松の大幹の梢が、豪宕《ごうとう》な海風と相接する音を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
二 茂太郎が陥没して、まだ浮き上らないところの地点の、忍冬《すいかずら》の多い
芝原に、そんなことは一切知らないで、一人の太った労働女が現われて、 「どっこいし....
「地水火風空」より 著者:豊島与志雄
なものだ。知らなかったのか。迂濶だね。……碑の表と裏とがまた素敵だ。」 私達は
芝原の中に歩み入って、碑を眺めた。円柱の南面には、長方形に削り取られた中に、もう....
「中支生活者」より 著者:豊島与志雄
中支生活者 豊島与志雄 杭州へ行った人は大抵、同地の
芝原平三郎氏の存在に気付くであろう。 杭州は蒋政権軍資の源泉の一つでもあったし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
慮ではあるが、まことに居心地のよい接待ぶりの寓居であった。庭には綺麗に刈り込んだ
芝原と、塔のように突っ立った槲や楡の木があって、ほかにも所どころに木立ちが茂って....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
四 日比谷公園 友人と日比谷公園を散歩する。今日は風もなくて暖い。
芝原に二匹の犬が巫山戯ている。一匹は純白で、一匹は黒斑で、どこから啣えて来たか知....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。その両脇の広庭には大木が青々と茂って居る。もっとも中には樹が少しもなくって広い
芝原になって毛氈を敷き詰めたごとくになって居るところもある。それから一町ばかり進....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
は百姓もエタも、同じ帳面に書いていたらしい。既にその前年なる正徳二年の、「名東郡
芝原村穢多・小家・下人一々書抜帳」と云うのを見ると、エタ百人万助の小家も、庄屋伝....