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「芝居気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

芝居気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 読者もすでに御承知の通り、半七老人の話はとかくに芝居がかりである。尤も昔の探索は、幾らか芝居気が無くては出来なかったのかも知れない。したがって、この老人が芝居好きである....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
屋《かなものや》で、店は具足町《ぐそくちょう》にありました。家中《うちじゅう》が芝居気ちがいでしてね、とうとう大変な騒ぎをおっ始めてしまったんです。え、その話を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「芝居がかりですね」と、善八も笑った。 「こういうことになると、おれもちっと芝居気を出したくなる。本当ならば虚無僧《こむそう》にでも姿をやつして出るところだ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、ここにいる御符売りの箱から蛇を一匹盗んで、狂言の種に遣ったろう。手前もなかなか芝居気がある。お化け師匠と札付きになっているのに付け込んで、師匠をそっと絞め殺し....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
き捨てるとか、湖中へ沈めるとかいう考えも浮ばないではなかったが、それほど華やかな芝居気さえなくなっていて、ただ反古より、多少惜しいぐらいの気持ちで、草稿は鞄の中....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
いう相手は好い加減にあしらって置けばいゝのですが、藤崎さんも年がわかい、おまけに芝居気ちがいと来ている。まだその上に、町人のくせに武士に向って食ってかゝるとは怪....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は空洞な声で呟いたが、熊城を顧みて、「この曝し札の意味はどうでも、だいたい犯人の芝居気たっぷりなところはどうだ?」 熊城は憤懣の遣り場を法水に向けて、毒づいた....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
イトの『西蔵探険記』の挿図に非ず哉。五十年前初めて入蔵した此強胆なる学者の報告は芝居気満々たる山伏坊主の冒険小説に非ざる地理学上の大貢献であって、今日猶お東方研....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
」 醤は、満天の星を吸いこもうとするのではないかと思われるような大口をあいて、芝居気たっぷりに、途方もない重大決意を喚き散らしたのであった。 「ええ加減にしろ....
新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
いる。 かの子 女の方も女の権利とか位置とかを楯にして案外|浅薄な利己主義な、お芝居気を満足させるための気障なのも往々にして見受けます。むしろ一般の風潮が多くそ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ふところからふちに金銀線の細工がしてある、ヴェニスふうの小さい水晶の鏡を出して、芝居気たっぷりに、「お気に召しましたでしょうか。あなたの侍女にして下さりませ」な....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
サア射てとばかりに、麗々しく胸をはだけたそうだ」 「なるほど、度胸も相当だし……芝居気たっぷりな奴ですね」 「なにしろ、鬼も怖れるという、仏領カレドニアのアンチ....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
、汗をたらして韋駄天は気の毒だ。ここに一つの思案あり。まあ聞きたまえ。」と、彼は芝居気取りでお熊の耳にささやいた。 と、いっても、それは差したる秘密でもなく、....
深川女房」より 著者:小栗風葉
んなことを言わなくたって、お上さんにゃしょっちゅう小使いを貰ってらあ」 「ちょ!芝居気のねえ野郎だな」と独言ちて、若衆は次の盤台を洗い出す。 しばらくするとま....
久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
という風になりかねない。専門家とすればそこがむずかしいわけでしょう。批評する方に芝居気があればいいけれども、まるで帝展の画でも見るような調子で、直ぐに物を識らな....