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芝居者
「芝居者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芝居者の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
風呂敷の問屋は、芸者に関係者はなかったが、商談などの座敷に呼ばれ、お神が出入りの
芝居者から押しつけられる大量の切符を、よく捌いてくれた。歌舞伎全盛の時代で、銀子....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
トルを突きつけたら、この男は鼠のようにキリキリ舞いをしてしまうだろう。お前は高が
芝居者じゃないか。インテリゲンチャのたいこもちになって、我々同志よもみっともない....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
が、影のように、まぼろしのように、山ノ宿の、宿屋町にあらわれたのは真夜中すぎ――
芝居者相手の雑用宿のいじけた店が、二、三軒並んでいるのを、素通りして、意気で、品....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の後庭《しりえ》を犯し、これを殺す奇蛇ある由、トンとは古老の説に、非道交会を昔の
芝居者などが数うるに、一トン取る二トン取るといったそうだから、南米にあるてふ男色....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
ルでも突きつけたら、此男は鼠のようにキリキリ舞いしてしまうだろう。 お前は高が
芝居者じゃあないか。インテリゲンチャのたいこもちになって、我々同志よ! もみっと....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
茶屋だけ残したのだから、華やかなはずだった。 つい十年ほど前の、旧幕時代には、
芝居者は河原乞食と賤《いや》しめられ、編笠《あみがさ》をかぶらなければ、市中を歩....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
見ると、大阪の中村宗十郎とどうも似て、下顎の少し張った美しい顔をしている。一体に
芝居者は、色町で誕生する子同様、親子の関係が薄いのである。私には宗十郎の子らしい....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
ったの?」 と聞くと、 「行きましたとも。みんなして行ったのですよ。伯爵がね、
芝居者をのこらず連れて行って、うちの者のなかからそんな立派な奴の出たことを、よく....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
めの装束? ふうん。」 「ふうんもねえや。知れたことよ。殺《ば》らされたのあその
芝居者《こやもの》だ。眉毛のねえのも女形《おやま》なりゃこそ。何てったけのう、え....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
吉はこれを見て、 「や、爺さん、こりゃ姉さん、」 「ああ、今日はちっとの、内証に
芝居者のお客があっての、実は寮の方で一杯と思って、下拵に来てみると、困るじゃあね....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
始の客であろうと思って、わたしは箸を抛り出して直ぐに出てみると、双子の羽織を着た
芝居者らしい男が立っていて、築地の成田屋からまいりましたが、直ぐにおいで下さいと....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
よせ》の角《かど》から花川戸《はなかわど》の路地に這入《はい》れば、ここは芸人や
芝居者《しばいもの》また遊芸の師匠なぞの多い処から何となく猿若町《さるわかまち》....
「世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
乗をして、美しい谷間から、遥にアルピイの青い山を望んだこともある。 町に育って
芝居者になったドリスがためには、何もかも目新しい。その知らない事を言って聞せるの....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
興行の節、弾左衛門手下のものが、舞台に乱入して役者を脅迫した。弾左衛門の方では、
芝居者はやはりエタ支配の下にいるとの見解によって、渉りを付けなかったのを咎めたの....