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芝山
「芝山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芝山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
に通学していて、正月の学期から早月《さつき》という姉妹の美しい生徒が来て、それは
芝山内の裏坂に美人屋敷といって界隈《かいわい》で有名な家の三人姉妹の中の二人であ....
「牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
》の令嬢なども見えていましたが夜の十時頃|漸《ようや》く散会になり僕はホテルから
芝山内《しばさんない》の少女《むすめ》の宅まで、月が佳《よ》いから歩るいて送るこ....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
けが、正直でずけずけいうてしもうたんじゃけにのう。 村年寄 まあ、ええわ。わしゃ
芝山の観音さんが、村中を助けて下さるために甚兵衛どんに乗り移ったんじゃと思うとる....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
毎日通勤して来て昼間だけ居合わす者として、お手伝いのお末(本名本郷末子)と雑役の
芝山宇平があると答えた。お末は二十二歳。宇平は五十歳であった。 「或いはそういう....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
。其ほど繁昌して居て、亦年久しい湯治場だろうのに、未に新開地らしい所がある。青い
芝山の間に、白い砂地があって、そこが材料置場になったりして居る。思いがけない町裏....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を拝借した虎之介は、夢心持から解き放されて、勇気リンリン、そう遠くない白金の地へ
芝山内を突ッ走って先廻りして、新十郎の到着を浅虫家の門前で今やおそしと待っている....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が、ツンボでオシが喋るわけにいかないから、暗闇を幸い、見えがくれに後をつけると、
芝山内の近くまで長歩きして、大きな邸宅の裏木戸をくぐって行く。 幸いあたりは人....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
でた。 「まッすぐ行くと虎の門よ」 と女が道を教えてくれて、別れた。 翌日、
芝山内の山門の前、道のマンナカに大石が一ツころがっていた。酔ッ払った奴のイタズラ....
「一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
一 ご家人の貝塚三十郎が、また
芝山内で悪事をした。 一太刀で仕止めた死骸から、スルスルと胴巻をひっぱり出すと....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
話ではなくて、浅草の観音様ができた当時、千何百年むかしの話です。本郷の弥生ヶ丘や
芝山内がまだ海岸だった頃のことだ。 続日本紀、元正天皇霊亀二年五月の条に、「駿....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
じまらない時分、京都へも足を踏み入れない前に、モルガンは惚れた人がある。それは、
芝山内《しばさんない》の、紅葉館《こうようかん》に、漆黒の髪をもって、撥《ばち》....
「鐘の声」より 著者:永井荷風
のような、心持のいい柔な響である。 わたくしは響のわたって来る方向から推測して
芝山内《しばさんない》の鐘だときめている。 むかし芝の鐘は切通《きりどお》しに....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
ろう。しかるにわが東京においてはもし鬱然《うつぜん》たる樹木なくんばかの壮麗なる
芝山内《しばさんない》の霊廟《れいびょう》とても完全にその美とその威儀とを保つ事....
「霊廟」より 著者:永井荷風
ち》に息《いこ》ひたるこそ嬉しけれ。 という句がある。 自分が頻《しきり》に
芝山内《しばさんない》の霊廟《れいびょう》を崇拝して止まないのも全くこの心に等し....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
獅子王孔雀王、我らが頼むこの寺の塔も絶類抜群にて、奈良や京都はいざ知らず上野浅草
芝山内、江戸にて此塔に勝るものなし、ことさら塵土に埋もれて光も放たず終るべかりし....