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芥子粒
「芥子粒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芥子粒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
り》を立てても行列が通ったであろう。
この広《ひろ》ッ場《ぱ》でも目の及ぶ限り
芥子粒《けしつぶ》ほどの大《おおき》さの売薬の姿も見ないで、時々焼けるような空を....
「錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
小宇宙《ミクロコスモス》」であるという思想は別段珍らしい考え方ではない。禅家では
芥子粒の中に須弥山さえ入っている。これは比喩だが、電子の中にひょっとしたら全宇宙....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
四十九 早瀬はその水薬の残余を火影に透かして、透明な液体の中に、
芥子粒ほどの泡の、風のごとくめぐる状に、莞爾して、 「面白い!」 と、投げる様....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
る。大体法水にしろ、鐘の鳴った原因を犯人の行動の一部に結びつければ、この事件には
芥子粒程の怪奇もないと信じていた矢先に、イリヤの一言はたちどころに推理の論理的な....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
の水を加えて鍋の中で溶かしてどろどろした液体とする。それに金米糖の心核となるべき
芥子粒を入れて杓子で攪拌し、しゃくい上げしゃくい上げしていると自然にああいう形に....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
業績に思われたりする。しかし、人が見ればこれらの「須弥山《しゅみせん》」は一粒の
芥子粒《けしつぶ》で隠蔽《いんぺい》される。これも言わば精神的視角の問題である。....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
ンの塊に手を伸ばした。 「どう考えても、黒眼鏡の気持は判らない」 左官は自分の
芥子粒みたいな肝ッ玉に較べて、そう考え悩まずにはいられなかった。 尊敬の念が、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
これかと、いやこの目の疎いを思遣って、御自分に御精魂な、須弥磐石のたとえに申す、
芥子粒ほどな黒い字を、爪紅の先にお拾い下され、その清らかな目にお読みなさって……....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
。 だが、こゝでは、こんな、とてつもない、大きな連中に会っては、この私はまるで
芥子粒みたいなものです。今に誰かこの大きな怪物の一人につかまったら、私は一口にパ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
く、豆位になって、足の甲を蠢めいて、ふっと拇指の爪から抜ける。その時分には、もう
芥子粒だけもないのです、お綾さんの爪にも堪らず、消滅する。 トはっと気を返して....
「困惑の弁」より 著者:太宰治
言われても致しかたが無い。何も、無い。誇るべきもの何も無いのである。たった一つ、
芥子粒ほどのプライドがある。それは、私が馬鹿であるということである。全く無益な、....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
シーリエヴィッチ、聖書にもこう言ってあるじゃありませんか、人がもしほんの小さな、
芥子粒《けしつぶ》の信仰でも持っておれば、山に向かって海へはいれと言えば、山はそ....
「不周山」より 著者:井上紅梅
あったから、彼女はちょっともう一度下を見た。すると、長方形の板の下の小さい眼は、
芥子粒より小さい二粒の涙を漾えているのが見える。それは、彼女が先ほど聴き慣れてい....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
貌の形容と,無関係ではあるまい. オアラ シキヒ 片方の目は エントヌム ネ
芥子粒のように小さくて チラウェカッタ ぐっと落ちくぼみ オアラ シキヒ ....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
よりはむしろ周囲の人々に説明を求めるように言った。 そこへ仲好しのダンサーが、
芥子粒のように小さい丸薬を掌に載せ、片手にコップを持って来て、 「初ちゃん、しっ....