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芭
「芭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
う越えたのであろう。切り貼りの点々とした白い上には、秋の日に照らされた破《や》れ
芭蕉《ばしょう》の大きな影が、婆娑《ばさ》として斜めに映っている。それだけにこの....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
いや、当世の通人はいずれも個人として考えれば、愛すべき人間に相違あるまい。彼等は
芭蕉《ばしょう》を理解している。レオ・トルストイを理解している。池大雅《いけのた....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
うもん》も藁葺《わらぶき》屋根で、『ぬれて行く人もをかしや雨の萩《はぎ》』と云う
芭蕉翁《ばしょうおう》の名高い句碑が萩の中に残っている、いかにも風雅な所でしたか....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
、祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》に参った給孤独長者《きゅうこどくちょうじゃ》は竹や
芭蕉《ばしょう》の中の路《みち》を尼提が一人歩いて来るのに出会った。彼の姿は仏弟....
「老年」より 著者:芥川竜之介
とが古銅の瓶にしおらしく投げ入れてあった。軸は太祇《たいぎ》の筆であろう。黄色い
芭蕉布《ばしょうふ》で煤《すす》けた紙の上下《うえした》をたち切った中に、細い字....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
が来るのを待っていた。もう明るくなったガラス戸の外には、霜よけの藁《わら》を着た
芭蕉《ばしょう》が、何本も軒近くならんでいる。書斎でお通夜《つや》をしていると、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
愁を破ったであろう。が、古池を飛び出した蛙は百年の愁を与えたかも知れない。いや、
芭蕉の一生は享楽の一生であると共に、誰の目にも受苦の一生である。我我も微妙に楽し....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
るとなって見ると、今更のように心が怯《おく》れたのです。しかし御主人は無頓着に、
芭蕉《ばしょう》の葉の扇《おうぎ》を御手にしたまま、もう一度|御催促《ごさいそく....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
られた向うを目の上に手をやって眺めはじめる。
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前の洞穴の外部。
芭蕉や竹の茂った外には何もそこに動いていない。そのうちにだんだん日の暮になる。す....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
衣紋を揺って、ぐっと袖口へ突込んだ、引緊めた腕組になったと思うと、林檎の綺麗な、
芭蕉実の芬と薫る、燈の真蒼な、明い水菓子屋の角を曲って、猶予わず衝と横町の暗がり....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
れはまた木蔦のからみついたコッテエジ風の西洋館と――殊に硝子窓の前に植えた棕櫚や
芭蕉の幾株かと調和しているのに違いなかった。 しかしT君は腰をかがめ、芝の上の....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
山吹つつじが盛だのに、その日の寒さは、俥の上で幾度も外套の袖をひしひしと引合せた。 夏草やつわものどもが、という
芭蕉の碑が古塚の上に立って、そのうしろに藤原氏三代栄華の時、竜頭の船を泛べ、管絃....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ろんこで、 「お酌を頼む。是非一つ。」 このねだりものの溌猴、魔界の艶夫人に、
芭蕉扇を、貸さずば、奪わむ、とする擬勢を顕わす。……博識にしてお心得のある方々は....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
なかった。しかし少くとも平和だった。僕は砂利を敷いた門の中を眺め、「漱石山房」の
芭蕉を思い出しながら、何か僕の一生も一段落ついたことを感じない訣には行かなかった....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
北枝 野田山のふもとを翁にともないて、と前がきしたのが見える。北方の逸士は、
芭蕉を案内して、その金沢の郊外を歩行いたのである。また…… 丸岡にて翁にわかれ....