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「芭蕉布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

芭蕉布の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老年」より 著者:芥川竜之介
とが古銅の瓶にしおらしく投げ入れてあった。軸は太祇《たいぎ》の筆であろう。黄色い芭蕉布《ばしょうふ》で煤《すす》けた紙の上下《うえした》をたち切った中に、細い字....
あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
ツ行儀よく並べてある。その上下の袋戸と左側の二間一面の押し入れに立てられた新しい芭蕉布の襖《ふすま》や、つつましやかな恰好の銀色の引き手や、天井の真中から下って....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
論大切である。しかし藤尾は論文よりも大切である。小野さんはぱたりと書物を伏せた。芭蕉布《ばしょうふ》の襖《ふすま》を開けると、押入の上段は夜具、下には柳行李《や....
変な音」より 著者:夏目漱石
る六畳の方になると、東側に六尺の袋戸棚《ふくろとだな》があって、その傍《わき》が芭蕉布《ばしょうふ》の襖《ふすま》ですぐ隣へ往来《ゆきかよい》ができるようになっ....
復讐」より 著者:夢野久作
の掌をシッカリと押し当てて、素足のまま寝床を降りると、スラスラと畳の上を渡って、芭蕉布張りの襖に手をかけた。その時に、畳に引きはえた襦袢の裾が、枕元に近いお盆の....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
の下絵の銅版刷りをまさぐる。壁の嵌め込み棚の中の和蘭皿の渋い釉薬を見る。箔押しの芭蕉布のカーテンを見る。だが瞳を移すその途中に、きっと、窓に身をかゞまして覚束な....
Sketches for details Shima」より 著者:宮本百合子
ている。 「三万五千五百八十四号ヲ以テ勲等簿冊ニ記入ス」 書院の袋戸棚 四枚の芭蕉布にぼんやり雪舟まがいの山水を書いたもの、ふたところ三ところ小菊模様の更紗で....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
これ二三十、ところも狭《せ》にずらりと置きならべられてある。羅紗地《らしゃじ》、芭蕉布地《ばしょうふじ》、金剛地、砂子地《すなごじ》、斑紋にいたっては、星出斑《....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
はなくいわゆる偽茎であって、それは長い葉鞘が重なって出来たものである。かの有名な芭蕉布は琉球に産するイトバショウ(Musa liukiuensis Makino....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
と呼ぶ繊維も用いられました。 今も沢山織っているもので、おそらく一番美しいのは芭蕉布でありましょう。芭蕉から糸を取って機にかけます。沖縄の夏は暑いので涼しいこ....