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芯
「芯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
芯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
は、清逸の使いふるしの抽出《ひきだし》も何もない机の前に坐った。机の上には三分|
芯《じん》のラムプがホヤの片側を真黒に燻《くすぶ》らして暗く灯っていた。机の片隅....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ちは船との縁を絶たれて、水の中に漂わねばならなかった。そして君は、着込んだ厚衣の
芯まで水が透って鉄のように重いのにもかかわらず、一心不乱に動かす手足と同じほどの....
「振動魔」より 著者:海野十三
」 「そう云われると、今朝起きたときから、頭がピリピリ痛いようでしたわ。きっと、
芯が疲れきっているのねえ」 「用心しないといけませんよ。今夜はなる可く早くおかえ....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
のだった。Aは竹花中尉と結婚することにはなっているが、熊内中尉を別に毛虫のように
芯から嫌っているわけではないのだから、いくらでも、竹花中尉との縁組をAに自らすす....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ていた。鼻緒の下請負は、同じ区内の今戸とか橋場あたりの隣町の、夥しい家庭工場で、
芯を固めたり、麻縄を通したり、その上から色彩さまざまの鞘になった鼻緒を被せたり、....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
そうね。ラジウムて随分高価いんでしょ」 「ええ。婦長さんが云ってたわ。あの鉛筆の
芯ほどの太さで僅か一センチほどの長さなのが、時価五六万円もするですって。ああ大変....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
本の軸木がマッチ箱の腹をこすった。軸木に火がついた。その火はアルコール・ランプの
芯《しん》に近づいた。ぽっと音がして青白い焔《ほのお》が高くあがった。するとこん....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
及第点を与えたという、それだけのこと」 「ふーン、なるほどね。探偵商売もこれじゃ
芯が疲れるわい」 土居は八雲千鳥に替って、ポケットから手帛《ハンカチ》を出して....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
「おや、ここは一体どこだろう」 僕は長椅子の上に起き上った。頭を振っていると
芯がまだすこし痛む。あたりを見廻す。いやに真四角な部屋だ。正六面体の部屋だ。中の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
衝突をやって、地球は粉みじんになってしまうのですか」
「そうだとも。モロー彗星の
芯は、地球の大きさにくらべて八倍はある。これは、さしわたしの話だ。そうして、その....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
れた。彼は地獄の底に、仰向きになって寝ているのだということが判った。なんだか頭の
芯がピシピシ痛む。彼は手を痛む額の方へ伸ばした。そのとき思いがけなくも、伸ばした....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
がしてならないのよ」 「そんな莫迦げたことがあってたまるものか。ねえ、君はすこし
芯がつかれているのだよ」 「そうかもしれないわ。でもほんとに、今夜かぎりで、あん....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
結果に陥ってしまった。儀作は、それを弁解かたがたふかい理由を書き送ろうと、鉛筆の
芯をなめていたのである。実際、それは彼にとって深い、いや、それ以上に、解りにくい....
「わが母を語る」より 著者:上村松園
にするが、二枚目の紙は折目があったらこてで延ばし、同じ大きさの紙と一緒にして棒の
芯にまいてとっておく。使いたいとき取り出すと、どれも真新しいものと変りないのです....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
るのは了解に苦しむ。無罪だ』と述べたが懲役五ヵ月をくった。 獄中でゲタの鼻緒の
芯をない、封筒はりをしたが、獄房の中へもシャバのタヨリが伝わってくる。ある房から....