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花の都
「花の都〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花の都の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
々にまで、私の燃ゆる瞳の火を消そうと警戒の伏線、私はそれを悲しく思った。その夜、
花の都、ネオンの森とやらの、その樹樹のまわりを、くぐり抜け、すり抜け、むなしくぐ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
手振りをみせて置きたいという慈愛から、遠い旅をさせて一緒に連れて来たが、なるほど
花の都にもあれほどの美女は少ない。自分も主人の供をして、毎日洛中洛外を見物してあ....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
に不足のない故郷がいやになったからと云って、知らぬ他国へ苦労を求めに出る。それも
花の都の電車が通《かよ》ってる所なら、まだしもだが、日向の延岡とは何の事だ。おれ....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
息を吸入れて、「はるばるここに」と長く引いた時は女の口唇も震えましたようです。「
花の都も」と歌いすすむと、見る見る涙が女の頬を伝いまして、落魄《おちぶれ》た袖に....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
葬ったことであろうか。 その次は一般市民の生活難である。 前にも述べた通り、
花の都の生存競争は生き馬の眼を抜く程激烈なものであった。その間に生存して行くのは....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
って見ると、如何に被害が甚大であったかを詳細に列挙して、「計らざりき、万歳期せし
花の都、今何ぞ狐狼の臥床とならんとは」と結んで居る。 思うにこれは単に市街戦の....
「死生」より 著者:幸徳秋水
な世の中が一日も速く来らんことを望むのである、が、少くとも今日の社会、東洋第一の
花の都には、地上にも空中にも恐るべき病菌が充満して居る、汽車・電車は、毎日のよう....
「惜別」より 著者:太宰治
り覗いてみるというような有様で、東北の仙台でさえそのような盛観であったのだから、
花の都の東京に於いてはどのようであったか。私どもの想像を絶するほどのものがあった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
――」 「わしかね、わしも実は関東さ、常州水戸……ではない土浦生れが流れ流れて、
花の都で女子供を相手にこんな商売をしていますよ。失礼、一献《ひとつ》」 猪口《....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
一日も早くきたらんことをのぞむのである。が、すくなくとも、今日の社会、東洋第一の
花の都には、地上にも空中にも、おそるべき病菌が充満している。汽車・電車は毎日のよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んよ、平家の公達だって、白川郷が住みよいからそこへ来たわけではありません、それは
花の都に栄耀《えいよう》栄華を極めているに越したことはございますまいけれど、居る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのだから景気は素敵だ、それに江戸と違って、千年の都だからなあ、見るもの聞くもの
花の都だ」 「上方見物――ようござんすねえ、お恥かしながら、わたし、この年になっ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
どんなに骨が折れようと
遠くへ行って住みましょう
楽しい暮らしをしたいもの
花の都に暮らしたい
もうもう悲しむこともない
さらに悲しむこともない
さらに悲し....
「多神教」より 著者:泉鏡花
女 これを御覧遊ばされまし。(胸の手箱を高く捧げ、さし翳して見せ参らす。) 媛神
花の都の花の舞台、咲いて乱れた花の中に、花の白拍子を舞っている…… 巫女 座頭俳....
「放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
街の屋根裏にかえったのはもはや夜明けにちかく、ほのぼのと白まってゆく空にそろそろ
花の都パリがうごきだしていた。途中二度ばかり密行の不審訊問にあったが、どうしても....