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花より団子
「花より団子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花より団子の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
無さそうな風姿《とりなり》も、小言いッて観る者は千人に一人か二人、十人が十人まず
花より団子と思詰めた顔色《がんしょく》、去りとはまた苦々しい。ト何処かの隠居が、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
おかしき心地がする。 堀切も吉野園、小高園など、今も花の種類はかなりにあるが、
花より団子の喰う物なければ治まらぬ都人士の、なけなしの懐を気にしながらも、次第に....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
友会的国体明徴一派に対してよい見せしめであっただろう。日本ファシズムにとっても、
花より団子という諺は変らない。徒花よりも実が大切なのだ。 日本ファッショのむだ....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
題は直接自分の実際生活に必要の切迫した時にのみ重大問題なのである。飢えている時は
花より団子が我身に切実な重大問題であるのに、如何なる場合にも団子より花が大切だ、....
「長い名」より 著者:楠山正雄
山の、そのまた向こうのあの山|越えて、この山|越えて、桜は咲いたか、まだ咲かぬ、
花より団子でお茶上がれ、お茶がすんだら三|遍回って煙草に庄助。」 という、すて....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
介があった。ハムレットの to be or not to be なんかや、英語の
花より団子式のものがあつめてあるのでしょう。これも特長のあるもののわけです。どれ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
に遊ぶ思いが出来ようというのだからこれぐらいの人気が湧くのも無理はないが、日ごろ
花より団子を主義とする達人階級まで躍起となっているというには、実はその裏にそれ相....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ことであると思う。勿論、その以前からそういう倹約な客もないではなかったが、例の“
花より団子”主義で養成されている観客の多数は、芝居はうまい物を食わせる所のように....