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花代
「花代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花代の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
は思ったが、お染はその親切な指図にしたがう訳にはいかなかった。識《し》らない客に
花代《はなだい》を払わして、そのまま自分の家へ帰ってゆけば、主人に叱られるのは判....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
わば臨時雇で宴会《えんかい》や婚礼《こんれい》に出張する有芸仲居のことで、芸者の
花代よりは随分安上りだから、けちくさい宴会からの需要が多く、おきんは芸者上りのヤ....
「世相」より 著者:織田作之助
をそれでも恰好だけ小意気にさし、高下駄を履いて来るだけの身だしなみをするという。
花代は一時間十銭で、特別の祝儀を五銭か十銭はずむルンペンもあり、そんな時彼女はそ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
辞。私は肝をつぶし、そしてカッとなりましたが、その腹の虫を押えるために飲んだ酒と
花代で、私が白浜から持ってきた金はほとんどなくなってしまい、ふらふらと桔梗屋を出....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
ちに安福軒がつくっておいたものだ。安福軒の飲食代もむろんその中に書きこんである。
花代として芸者の三倍もの値がついている。チップもヌカリがない。 「ここに朝食とあ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
うここまできてしまえばいい。 何もずるいことをしたってわけじゃなし、お線香代お
花代それは払って、ただ余分の心づけがしてやれないってだけのことだけれど、それが不....
「挿話」より 著者:徳田秋声
らあるもんですか」お絹は言ったが、「お料理の方は辰之助さんがお持ちやそうですし、
花代といったところで、たんともないさかえ」 「そうはゆかない。勘定は勘定だ。だい....
「春の雁」より 著者:吉川英治
だしするのだ。 (また、能の面の口だとさ) と聞くと、何家の妓も逃げを張って、
花代に依らず、座敷へ出てがない。 すると、お鷹という妓が、 (わちきが、いいお....
「俗臭」より 著者:織田作之助
るのだった。が、彼の期待は次の権右衛門の一言で簡単に裏切られた。 「正月は芸妓の
花代が倍や。祝儀もいる」以下云々。 伝三郎が呑み過ぎて胸が苦しいといったので、....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ゅばんから足がついたのである。私は婦女ゆうかい罪だとおどかされ、小楽の一週間分の
花代として二十七円あまりも巻上げられ、それでも足らぬので下げていた銀時計まで持っ....