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「花圃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花圃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の一つ一つに、水を盈々《なみなみ》汲込まなければならなかった。そしてそれを沢山の花圃《はなばたけ》や植木に漑《そそ》がなければならなかった。その頃かかっていた病....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
こんな景色でなければ楽しいとは思えぬ。要するに宗近と自分とは檜山《ひのきやま》と花圃《はなばたけ》の差《ちがい》で、本来から性《しょう》が合わぬから妙な感じがす....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
った。この界隈の長唄の師匠では、これが一番繁昌して、私の姉も稽古にかよった。三宅花圃女史もここの門弟であった。お花さんは十九年頃のコレラで死んでしまって、お路久....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
』の文芸担当記者が、当時の才媛について、萩の屋門下の夏子と龍子《たつこ》――三宅花圃《みやけかほ》女史――の評を求めたおり、歌子は、龍子は紫式部であり夏子は清少....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
上の様々なことでも云えて、興味つきぬところです。 感想、一つの方(『中公』)は花圃の書いた明治初年時代の追想の鏡にうつし出されている当時代の開化の姿の中にある....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
思い出すと、子供たちのためにひろいいろんな隅々のある庭がほしいと思います。花を、花圃《かほ》にはしないであっちこっちへ乱れ咲くように植えたら奇麗でしょうねえ。自....
大塚楠緒子」より 著者:長谷川時雨
であらい絣《がすり》がありました。 その方がその当時、一葉女史を退《の》けては花圃《かほ》女史と並び、薄氷《うすらい》女史より名高く認められていた、楠緒《くす....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
のあるしゃれた鉄の門に変っている。 おどろに葎《むぐら》のしげっていた、前庭の花圃《かほ》が取払われ、秋川夫人の遺品《かたみ》を置いてあった部屋は、翼屋の一郭....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
名乗って紺屋町付近の素人下宿を住まいとしたのである。この下宿は甚だ居心地よく庭に花圃菜園などあって、屋敷が広い。 昼は、塾に通って勉学し、朝夕は花圃を散歩しな....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ますから、「もうすみました」と申しましたら、「やあ」と仰しゃいました。雪嶺夫人の花圃さんは私の学校の御出身です。池の蓮は真盛で、朝風が心地よく吹き渡って、会場に....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
|空屋《あきや》になっていましたので、敷石のあいだから雑草が萌《も》えだし、庭の花圃も荒れほうだいに荒れて、見るかげもないようになっていました。 いくども呼鈴....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
あった。この界隈の長唄の師匠では、これが一番繁昌して、私の姉も稽古に通った。三宅花圃女史もここの門弟であった。お花さんは十九年頃の虎列剌で死でしまって、お路久さ....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
えたるそのとなえ今も大宮の内の小名に残れりという。この祠の祭の行わるるときは、御花圃とよぶところにて口々に歌など唱いながら、知る知らぬ男女ども、こなた行き、かな....
百花園」より 著者:永井荷風
くなっている。それより池のほとりに至るまで広袤およそ三四百坪もあろうかと思われる花圃は僅に草花の苗の二三尺伸びたばかり。花圃の北方、地盤の稍《やや》小高くなった....
二つの運命」より 著者:小川未明
「こちょうさん、あなたのお家はどこですか。」とききました。 「私の家は、あちらの花圃です。あすこには姉も妹もきて待っています。」と答えました。 「あんな頼りのな....