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花床
「花床〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花床の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
は草花の床が女帯ほどの幅で長く続いている。二三種の花が咲いている。水仙の一と株に
花床が尽きて、低い階段を拾うと、そこが六畳の中二階である。自分が記念に置いて往っ....
「牡丹」より 著者:宮本百合子
い間立って眺めて育つのを待った。春の彼岸頃、石川は今度こそ本物の球根を運んで来て
花床に植込んだ。 「旦那、こっちの方がようございます。あれは駄目ですよ、もう」 ....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
は、伸子がたたずんでいる側へ出て来て、それを育て、花さかせた者の注意ぶかい視線で
花床《とこ》を見まわりながら、 「案外で、見直したろう」 素子は、素子らしくき....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
後からと話していたときの、あんなにも楽しく仕合わせだった自分。 美くしい絵や、
花床や、珠飾りを見ながら、心の中にいつの間にか滑りこんで来る仙女や、木魂や、虫達....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
がちゃんとおもてにとり出して、うけるだけの扱いをうけていないように思える。去年の
花床として、見わたしておもてに見える高低だけ言われている土のなかには、その花が咲....
「思い出すかずかず」より 著者:宮本百合子
こに行っては長い時間を費した。よくは分らないが、二十坪足らずの空地に、円や四角の
花床が作られ、菊や、紫蘭、どくだみ、麻、向日葵のようなものが、余り手を入れられず....
「初夏(一九二二年)」より 著者:宮本百合子
。私はひとりささやかな 我芸術の花園に 此 水のしずくを送ろう。 土が柔らかなら
花床よ 私の涙をしっとりと吸い 優い芽をめぐませて呉れ 花も咲くように―― ....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
おりませんでした。おかあさんは花と花のにおいにひたりながら進みますから、その裳は
花床よりもなおきれいな色になりました。 おかあさんは海岸の柳の木陰に足をとめま....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。そしてぼろぼろの裳衣をつけた跣足《はだし》のままのその幽霊は、老人の見る前で、
花床の間を走り回り、あたりに生命の水をまき散らした。木の葉の上に水のまかるる音を....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
はあるが、しかし窓の高さは少なくとも二十|呎はあったし、かつその下には、蕃紅花の
花床があって爛漫と咲き埋まっているのであったが、その
花床にも、また地面にも、また....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
とだったが、四月になって夏のような日が四五日つづくと、それまで鳴りをひそめていた
花床の花どもがいちどにドッと咲きだした。三色菫《パンセ》が頭をふりはじめると、ま....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
まばらに紅白の花を残して居たが、其の亭の周りのシンメトリカルに造られた四ツ弧形の
花床には紅白黄紫の大輪菊がダリヤかと見えるようなはっきりした花弁をはねて鮮やかに....