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「花影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花影の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
う》まで嫁《とつ》がぬは不思議である。春院《しゅんいん》いたずらに更《ふ》けて、花影《かえい》欄《おばしま》にたけなわなるを、遅日《ちじつ》早く尽きんとする風情....
草枕」より 著者:夏目漱石
ゆたか》に詩趣を帯びている。――孤村《こそん》の温泉、――春宵《しゅんしょう》の花影《かえい》、――月前《げつぜん》の低誦《ていしょう》、――朧夜《おぼろよ》の....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
鱗型の銘仙の不断着にいつもの横縞の羽織を着て、大きな樹一杯に咲きみちた白|木蓮の花影で二三日にわかに明るくなった縁側にいた。葉子が松川と一緒に子供をつれて、嵩高....
旅愁」より 著者:横光利一
このテラスも他には見られぬ古風な野天の仕立てだった。どのテーブルの上にも矢車草の花影からランプがかすかに油煙を上げていた。客一人ない広いそこのテラスの中央に三人....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
は原に向いている、水はうす汚なくて、飲もうという望みは引ッ込んだが、草影、樹影、花影が池に入って、長い濃い睫毛が、黒い眼の縁に蓋をしている、緑晶のような液体の上....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
句の方。花冷と上に置いて、夕桜のましろく、沈潜した美しさをまず描き、その冷やかな花影が川水にうつり、辺りの雑沓もしずまっている夕まぐれ。渡舟の棹す度に、水輪のひ....
役者の一生」より 著者:折口信夫
一 沢村源之助の亡くなったのは昭和十一年の四月であったと思う。それから丁度一年経って木村富子さんの「花影流水」という書物が出た。木村富子さん、即、錦花氏夫人は今の源之助の継母かに当....