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花月
「花月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
のOとの話です。そして手紙に書いておきたいことです。 Oはその前の日曜に鶴見の
花月園というところへ親類の子供を連れて行ったと云いました。そして面白そうにその模....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
みに問うと、将棋を指していた四、五人の爺《じじい》連、 「そうさね、新しくできた
花月がよかんべい。あの家《うち》は堅えだ。お前様方どこへ泊るね」というので、 「....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
良う利いとおる」のをフーフー口とがらせて食べ、仲良く腹がふくれてから、法善寺の「
花月《かげつ》」へ春団治《はるだんじ》の落語を聴《き》きに行くと、ゲラゲラ笑い合....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
という悲惨な経過をとった人が、ようやく春の恵みに逢うて、新しき生命を授けられ、梅
花月光の契りを再びする事になったのはおとよの今宵だ。感きわまって泣くくらいのこと....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
馗ワキ(二)同シテ(三)鞍馬天狗ツレ(四)経政(五)嵐山半能(六)俊成忠度(七)
花月(八)敦盛(九)土蜘ツレ(十)巻絹ツレ(十一)小袖曾我(十二)夜討曾我――こ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
して橋の上へかかって来ます。 どんな婦人でも羨しがりそうな、すなおな、房りした
花月巻で、薄お納戸地に、ちらちらと膚の透いたような、何んの中形だか浴衣がけで、そ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
うに、前途から飛着いた状なる女性があった。 濃緑の襟巻に頬を深く、書生羽織で、
花月巻の房々したのに、頭巾は着ない。雪の傘の烈しく両手に揺るるとともに、唇で息を....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
ーモアを解す。ユーモアを創る。たとえば法善寺では「めをとぜんざい」の隣に寄席の「
花月」がある。僕らが子供の頃、黒い顔の初代春団治が盛んにややこしい話をして船場の....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
善寺の小路の前を通る時、ちょっと覗きこんで、お父つあんの出たはるのはあの寄席やと
花月の方を指しながら、私たちに言って、きゅうにペロリと舌を出したあの仕草です。 ....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
三略の話だの早発性痴呆の話だのをした。御馳走になった場所は外でもない。東京駅前の
花月である。それから又斎藤さんと割り合にすいた省線電車に乗り、アララギ発行所へ出....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
い。いわゆる宿屋料理というものではありません。大そう感じのよい静かな旅館でした。
花月という料理屋へ行ったら、こっちの方は十五年前まで女郎屋だったそうですよ。女郎....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
楽のかわりにと連れて行って下すったのが、ほかに行くところもあろうに法善寺の寄席の
花月だった。何も寄席だからわるいというわけではないが、矢張り婚約の若い男女が二人....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
が見られたのである。 揚州料理 南京の帰りに鎮江へ行き、そこで
花月という料理屋へ行ってみた。 この家には畳など敷いてあって、むこうの座敷から....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ら西行といえば、花鳥風月を友として悟りすました人のように思うのはあたらないので、
花月につけても傷心の歌をうたったのである。 花見ればそのいはれとはなけれども心の....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
こへ這入んなましよ」 というので、通って見ると、病間は入側附きの八畳の広間で、
花月床に成って居ります。前に褥を取り、桐の胴丸|形の火鉢へ切炭を埋け、其の上に利....