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花札
「花札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
――夢の中の彼には明るい心もちのするものだった。(彼は或夜の夢の中にはまだ新しい
花札の「桜の二十」と話していた。しかもその又「桜の二十」は四五年前のお芳の顔をし....
「路上」より 著者:芥川竜之介
、『城』同人の印《マアク》のある、洒落《しゃ》れた切符を二枚出すと、それをまるで
花札《はなふだ》のように持って見せて、
「一等が三円で、二等が二円だ。おい、どっ....
「さようなら」より 著者:田中英光
佐女として、五十過ぎても薄化粧したり三味線をひいたり、友人を集め、謡いにこったり
花札を戦かわせたりするのを好み、孫のぼくたちを煩さがるような女だったので、彼女の....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
らしかった。 一人は黙って、その漁夫の顔をみた。 「ヒヒヒヒ……」と笑って、「
花札よ」と云った。 ボート・デッキで、「将軍」のような恰好をした船長が、ブラブ....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
」 「へえ」 「へえとはなんじゃい。今から町人の真似はまだちっと早いぞ。おまえ、
花札でバクチを打ったことがあるか」 「ござりまするが――」 「坊主の二十を後家ご....
「父」より 著者:金子ふみ子
縁側から障子をあけて座敷に上った。明るいランプの下に、四、五人の男が車座に坐って
花札をひいていた。 母は憤りを爆発させた。 「ふん、おおかたこんな事だろうと思....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
……さて、やがて朝湯から三人が戻って来ると、長いこと便所に居た熊沢も一座で、また
花札を弄ぶ事になって、朝飯は鮨にして、湯豆腐でちょっと一杯、と言う。 この使の....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
みたり外してみたりしています。左側の部屋では憎々しい男が四、五名の芸者と寝ながら
花札を弄んでいます。その隣その隣と考えるとまったく悲観せずにはいられません。 ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
る頭を薬湯へ浮かばせていたものであった。私の驚いたことには、彼の背には一面の桜と
花札が散らしてあった。その素晴らしく美しい入墨が足にまで及んでいた。噂によると四....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
みたり外してみたりしています。左側の部屋では憎々しい男が四、五名の芸者と寝ながら
花札を弄んでいます。その隣その隣と考えるとまったく悲観せずにはいられません。 ....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
しく思われる。 旅行の上手な人は、生活に於ても絶対に敗れることは無い。謂わば、
花札の「降りかた」を知って居るのである。 旅行に於て、旅行下手の人の最も閉口す....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
相手の女学生を輪姦するというようなことは確かにやっていたし、その日常も現実的で、
花札のインチキなどを、身をつめて練習していたものである。 後年、私が三十のころ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
えるに際し、いちいち報酬を要求するものがある。また月末給料の入ったのにつけこみ、
花札、将棋、麻雀などに誘うてこれを巻上げる。あるいは飲食店につれこんで、一緒に飲....
「地上」より 著者:島田清次郎
を着替えてお湯へでもいっておいで」 二人はそれには返事をしないで、帛紗に包んだ
花札を女将の前にさし出した。 「誰だったい」 「吉っちゃんに丹羽さんでしたの」 ....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
さんが、手に手紙をもって走っている人形が、据えつけてあり、その他トランプの王様や
花札などが軒から下っていたものであった。私はこの人形が少しきみ悪かったが好きであ....