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花束
「花束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
い。ある詩人の書いた一行の詩はいつも彼の詩の全部である。
四 空中の
花束
科学はあらゆるものを説明している。未来もまたあらゆるものを説明するであ....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
つか少年に似た、可憐《かれん》な顔を現してしまう。踊り子は静かに窓をあけ、小さい
花束《はなたば》を下に投げる。
31
往来に立った少年....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《かつみふじん》が毛金《けきん》の繍《ぬいとり》のある黒の模様で、薔薇《ばら》の
花束を手にしながら、姿見の前に立っている所を、横顔《プロフィイル》に描いたもので....
「河童」より 著者:芥川竜之介
リンを一曲|弾《ひ》いてもらいました。そら、向こうの机の上に黒百合《くろゆり》の
花束がのっているでしょう? あれもゆうべクラバックが土産《みやげ》に持ってきてく....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
た。そのまた鬼の妻や娘も機《はた》を織ったり、酒を醸《かも》したり、蘭《らん》の
花束を拵《こしら》えたり、我々人間の妻や娘と少しも変らずに暮らしていた。殊にもう....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
残している。自分はそのなめらかな石の面《おもて》に、ちらばっている菫《すみれ》の
花束をいかにも樗牛にふさわしいたむけの花のようにながめて来た。その後、樗牛の墓と....
「夢」より 著者:芥川竜之介
上へ坐らせて見た後、早速《さっそく》仕事にとりかかることにした。裸になった彼女は
花束の代りに英字新聞のしごいたのを持ち、ちょっと両足を組み合せたまま、頸《くび》....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
へ彼等よりも背の高い、紅毛人の男の人形が一つ無気味にもそっと戸を押しあけ、人工の
花束を持ってはいって来る。が、
花束を渡さないうちに機械に故障を生じたと見え、突然....
「或る女」より 著者:有島武郎
解き始めた。化粧鏡の付いた箪笥《たんす》の上には、果物《くだもの》のかごが一つと
花束が二つ載せてあった。葉子は襟前《えりまえ》をくつろげながら、だれからよこした....
「或る女」より 著者:有島武郎
世の病室を出た。出る時に岡は持って来たパラフィン紙に包んである包みを開くと美しい
花束だった。岡はそれをそっと貞世の枕《まくら》もとにおいて出て行った。
しばら....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
して、少時休んで、支度が出来ると、帰りは船だから車は不残帰す事にして、さて大なる
花束の糸を解いて、縦に石段に投げかけた七人の裾袂、ひらひらと扇子を使うのが、さな....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ひしめいていた。祭壇の前に集った百人に余る少女は、棕櫚の葉の代りに、月桂樹の枝と
花束とを高くかざしていた――夕栄の雲が棚引いたように。クララの前にはアグネスを従....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ヂなのです。彼女が自分を女優だと言う時、事実彼女は、どこかの舞台の上で、華やかな
花束に囲まれたことがあるのです。令嬢だと言えば、彼女は寝床も上げたことのない懶い....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
日ごとにこの洞穴の口浅く貯えておくのは、かえって、滝太郎が盗利品に向って投げた、
花束であることを、あらかじめここに断っておかねばならぬ。 さて、滝太郎がその可....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
しい草の上、雨のあとの薄霞、山の裾に靉靆く中に一張の紫大きさ月輪の如く、はた菫の
花束に似たるあり。紫羅傘と書いていちはちの花、字の通りだと、それ美人の持物。 ....