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花柳の巷
「花柳の巷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花柳の巷の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
。黄村のまえではあくまで内気な孝行者に、塾に通う書生のまえでは恐ろしい訳知りに、
花柳の巷では即ち団十郎、なにがしのお殿様、なんとか組の親分、そうしてその辺に些少....
「骨董」より 著者:幸田露伴
が杜九如の家に大した定鼎のあることを知っていた。九如の子は放蕩ものであったので、
花柳の巷に大金を捨てて、家も段※に悪くなった。そこへ付込んで廷珸は杜生に八百金を....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
木先生が、こんな演説をされた事があります。
「近頃当大学の学生や、諸先生が、よく
花柳の巷に出入したり、賭博に耽ったりされる噂が、新聞でタタカレているようであるが....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
だ。轟九蔵氏に限って非常に簡単明瞭な日常生活である。劇場付の女優に手を出したり、
花柳の巷を泳ぎまわったりするような不規則は絶対にした事がない……という証言だ。全....
「細木香以」より 著者:森鴎外
る。竜池は当時北渓に席画を作らせ、諸持に狂歌の判をさせ、春水、良斎等を引き連れて
花柳の巷に遊んでいた。 子之助は天保九年に十七歳になった頃から、料理屋、船宿に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
間に、すっかり忘れてしまうことのできたのは何より幸いです。 まして、この近辺は
花柳の巷《ちまた》でもあるのか知らん、お雪ちゃんがうっとりしている間に、三味線の....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
、自殺の決心を飜して、急いで東京に戻ってきた。 それから数ヶ月の間、津田洋造は
花柳の巷へ屡々出入したが、大学卒業後半年ばかりにして結婚する時から、それをぴたり....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
生活に対する不安ともなった。私は五百円を懐にして、学生時代に可なり知ってた各種の
花柳の巷のうちの、最も人間味の濃い陰惨な方面をさまよった。そして偶然彼女を見出し....
「申訳」より 著者:永井荷風
る。されば「とうさん、かアさん」の語は関西地方のものであろうか。近年に至って都下
花柳の巷には芸者が茶屋待合の亭主或は客人のことを呼んで「とうさん」となし、茶屋の....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
がとがめていたか出はじめるころは妙に陰気な男になっていましたが、然しもう行く先は
花柳の巷です。 時はよしと、丁度運転手が一人出たのを幸い私は××タクシーに住み....