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花梨
「花梨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花梨の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
ってみると、私に決めた部屋はすっかり片付いていて、丸窓の下に堆朱の机と、その横に
花梨胴の小長火鉢まで据えられていた。 そこへ娘は前の日と同じ服装で、果もの鉢と....
「魔都」より 著者:久生十蘭
墨で、
はせかは伏見屋
と書き流してある。
道路に面した二階の八畳間。今しも
花梨の卓を囲んで黙々と盃を含んでいる二人の人物があります。一人は、前回、浅草簡易....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
風流顔だ。 正面、奥とのさかいに銀いぶし六枚折りの大屏風《おおびょうぶ》、前に
花梨《かりん》の台、上に鎧櫃《よろいびつ》が飾ってある。黒革《くろかわ》張りに錠....
「上海」より 著者:横光利一
檀と競いながら、従容として昇って来た。しかし、甲谷の得意なシンガポールの材木は、
花梨木もタムブリアンも、ミラボーも、何に一つとして見ることが出来なかった。 「こ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
もう一つの油紙に包んであるものを開いてみると、これは一軸の巻物である。軸には
花梨の木が用いてあり、表装には金襴の古裂れが使ってあって、何となく秘品の紐を解く....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たと思って、盗んでもほしい気がして寄って見ると、それは橙であったり、喰べられない
花梨の実であった。
京都の町を、半分も捜してあるいた。すると、あるお社の拝殿に....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と違い、普通と変らぬ部屋づくり、むしろ、美々しい結構である。 金砂子の袋戸棚、
花梨の長押、うんげんべりの畳――そして、淡き絹行燈の光が、すべてを、春雨のように....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
した。あわててうがいの水を吐いて、向うの草むらへ飛びついた。 そこに四、五本の
花梨の木が生えていた。秋から冬にかけて黄色い果実がつく頃には、この樹の実がもつ特....
「三国志」より 著者:吉川英治
うしたことだろう」と、母の算段を心配していた。 そのうちにまた、村長の家から、
花梨の立派な卓と椅子がかつがれてきた。 「大饗宴だな」 張飛は、子どものように....
「三国志」より 著者:吉川英治
じっと臂の傷口を診ていた。 侍側の諸臣はみな眼をみはった。瘡口はさながら熟れた
花梨の実ぐらいに膨れあがっている。華陀は嘆息をもらした。 「これは烏頭という毒薬....
「立春の卵」より 著者:中谷宇吉郎
あるという。今度は落著《おちつ》いて、畳の上に坐《すわ》りこんで、毎日使っている
花梨《かりん》の机の上に立ててみると、三、四分でちゃんと立たせることが出来た。紫....