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花櫛
「花櫛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花櫛の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
。お前さん、いま結立てと見える高島田の水の滴りそうなのに、対に照った鼈甲の花笄、
花櫛――この拵じゃあ、白襟に相違ねえ。お化粧も濃く、紅もさしたが、なぜか顔の色が....
「鮭の祟」より 著者:田中貢太郎
は銚子の川口へ流れ着いた。村の人は憐んでその死骸を収め、女の歯と頭髪にさしていた
花櫛をその脇に埋めて神として祭った。銚子町の東端、円福寺の背後になった丘上にある....
「遠藤(岩野)清子」より 著者:長谷川時雨
《にほんがみ》がすきでね。それも、銀杏《いちょう》がえしに切《きれ》をかけたり、
花櫛《はなぐし》がすきで、その姿で婦人記者だというのだから、訪問されてびっくりす....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
たくしに、書けましょうか。」 唐人髷《とうじんまげ》の、艶《つや》やかなのと、
花櫛《はなぐし》ばかりを見せているように、うつむいてばかりいる娘は、その時顔をあ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
刻お常さんが淋しい声で歌った唄の文句であるらしかった。舞子の頭に翳した櫛の名前が
花櫛という事や畳の上を曳きずっている長い帯をだらりという事や、そういう名称なども....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
豆か新生姜でも……」 一方では舞妓たちが藤棚の下へ床几をもちこみ、銀のかんざし
花櫛のきれい首をあつめて、和蘭陀カルタをやりはじめていた。 お嬢様なるあやしい....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
って変らなかったのである。それが芝居を見ると十二|単衣を着て薙刀を使ってみたり、
花櫛を挿して道行きをしたり、夏でもぼてぼてとした襟裾を重ねた上※が出て来るが、そ....