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「花火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
べぎわ》の籐椅子《とういす》から身を起した。 「また今夜も御隣の坊ちゃんたちは、花火を御揚げなさるかしら。」 老女が房子の後《あと》から、静に出て行ってしまっ....
」より 著者:芥川竜之介
だった。わたしは――まだ子供だったわたしはやはりこう云う日の暮に線香《せんこう》花火に火をつけていた。それは勿論東京ではない。わたしの父母の住んでいた田舎《いな....
或る女」より 著者:有島武郎
砲がかすかに腹にこたえるように響いて、子供らは往来でそのころしきりにはやった南京花火《なんきんはなび》をぱちぱちと鳴らしていた。天気がいいので女中たちははしゃぎ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
こで、真白にこうちらつく工合は、何の事あねえ、さしがねで蝶々を使うか、活動写真の花火と云うもんだ、見物だね。難有え。はははは。」 「馬鹿だな、何だと思う、お役人....
朱日記」より 著者:泉鏡花
の梢の処に、丁子頭が揺れるように見て、気が静ると、坊主も猿も影も無い。赤い旗も、花火が落ちる状になくなったんだ。 小児が転んで泣くようだ、他愛がないじゃないか....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
言わぬ。並んだ小屋は軒別に、声を振立て、手足を揉上げ、躍りかかって、大砲の音で色花火を撒散らすがごとき鳴物まじりに人を呼ぶのに。 この看板の前にのみ、洋服が一....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
腥いのを厭いなく、参詣群集の隙を見ては、シュッ。 「打上げ!」 「流星!」 と花火に擬て、縦横や十文字。 いや、隙どころか、件の杢若をば侮って、その蜘蛛の巣....
黒百合」より 著者:泉鏡花
大変だね。」 「発くとの、それ親に知れるか、亭主に知れるか、近所へ聞える。何でも花火を焚くようなもので、その途端に光輝天に燦爛するじゃ。すでにこないだも東の紙屋....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
時代の如きは非常に明い気持があったがやはり江戸時代は暗かった。 ◇花火について見るも、今日に較ぶればとても幼稚なもので、今見るような華やかなものは....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
水夫たちは、甲板でおどっていました。そこへ、わかい王子がでてくると、なん百とない花火が打ち上げられて、これがひるまのようにかがやいたので、ひいさまはびっくりして....
ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
おれもお礼になにかしてやろう。」と、あきんどのむすこはおもいました。そこで、流星花火だの、南京花火だの、ありとあらゆる花火を買いこんで、それをかばんに入れて、空....
雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
がらすがこえをたてました。ひゅッ、ひゅッ、空で、なにか音がしました。それはまるで花火があがったように。 「あれがわたしのなつかしい北極光です。」と、となかいがい....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
燃え上った十年、作家生活の火華は火華を産ンで、花火線香の最後に落ちる玉となって消えた夢野久作、その火華は、今十巻の全集となって....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
つと、目の前へ、火花が糸を引いて※と散って、川面で消えたのが二ツ三ツ、不意に南京花火を揚げたのは寝ていたかの男である。 斉しく左右へ退いて、呆気に取られた連の....
式部小路」より 著者:泉鏡花
えで、駆けつけると、案の定だ。 まだ非常線も張らねえのに、お門にゃ、枝垂れ柳の花火が綺麗に見えましょう。柱は残らず火になったが、取着の壁が残って、戸棚が真紅、....