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花物
「花物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花物の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
、好きかね。」 私は、わざと意味ありげに、にやにや笑った。 「大好き。あの人の
花物語という小説、」言いかけて、ふっと口を噤《つぐ》んだ。「あら! あなただわ。....
「門」より 著者:夏目漱石
《ばんめし》を済まして、夜は近所の縁日へ御米といっしょに出掛けた。そうして手頃な
花物を二鉢買って、夫婦して一つずつ持って帰って来た。夜露にあてた方がよかろうと云....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
もってした。その客人の一人は、その全配合の中に晩秋の微風を感じたとしるしている。
花物語は尽きないが、もう一つだけ語ることにしよう。十六世紀には、朝顔はまだわれわ....
「私の父」より 著者:堺利彦
柄をした。 父はまた、野菜作りばかりでなく、屋敷内に竹林を作り、果樹をふやし、
花物を植えつけ、接穂をするなど、いろいろ計画を立てて実行した。茶の木も少しあった....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
落ち着いたのは、狭い平屋であったが、南に坪庭もあって、明るい感じの造作であった。
花物を置くによろしい肱掛窓もあって、白いカーテンにいつも風が戦いでいた。それに葉....
「黴」より 著者:徳田秋声
湾葭のようなものを見つけるとそれを二株ばかり買って、書生に持たせて帰した。I氏は
花物の鉢を提げて帰って行った。 O氏は残った小銭で、ビーヤホールへ咽喉の渇きを....
「随筆難」より 著者:寺田寅彦
くのはつつしまなければならないという気がしたのであった。 ある時はまたやはり「
花物語」の一節にある幼児のことを、それが著者のどの子供であるかという質問をよこし....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
文筆の才に恵まれ、教鞭をとるかたわら、作家志願の精進をつづけ、二十三才のとき、「
花物語」という処女作を出しました。 千八百六十一年、女史の三十歳のときに、南北....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
た。 「彼らのほうは帽子だが、私のほうは頭です。」 一同は並足で進んでいった。
花物河岸は香りを立てていた。花市の日だった。花売娘らは花をすてて私のほうに駆けだ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
《ちっきょ》のあいだに死んだが、自分の経験を一冊の書《しょ》に綴《つづ》りて『桜
花物語《おうかものがたり》』と題して子孫に遺《のこ》したが、その人は常に左の古歌....
「日記」より 著者:宮本百合子
ので、すっかり古い花をすて、線香をもやす。 夕飯前、和本箱を見、西行の伝記、栄
花物語、その他を見出す。月のゆくえとか、池の藻屑とか小説のような名の本を一寸あけ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
虚子先生 ○ 明治四十一年七月二十三日(封書) 拝啓 別封「
花物語」は寅彦より送り越し候もの。中には中々面白きもの有之出来得るならば八月の『....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
れ。 枕草子に、 てづからは声もしるきに、はしたものなどは、されどよし。 栄
花物語根合の巻に、 はしたもの、女房の局の人など、をかしくしたてゝ沓すり歩く。 ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
人だけに西行と一脈どこか通じているものがあった。 歓楽のあとに哀寂多しで、「栄
花物語」的な絢爛な世代の反面に、そうした現実とは両極端な無常観や世を儚む考えがび....