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「花王〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花王の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
なって来る。富士山のペンキ絵がべろんと幕を張ったよう。松が四五本あって、その横に花王せっけんの広告。 おなかの大きい不器量なおかみさんが一人、鏡の前で鼻唄をう....
刻々」より 著者:宮本百合子
かと、自分達の使う石鹸を風呂場に残しておいて皆に使わして呉れ、と要求して、今では花王石鹸が入っているのだそうだ。 そういう話をし、その女は、 「ああいう人達は....
地獄の使者」より 著者:海野十三
て、もっと年をとった、そして黄色く乾涸びたような貧弱な暗い女性だった。痩せた顔は花王石鹸の商標のように反りかえっていて、とびだしたような大きな目の上には、厚いレ....
露肆」より 著者:泉鏡花
、運動を起す、一分間にして暴れ出す。 だが諸君、だがね諸君、歯磨にも種々ある。花王歯磨、ライオン象印、クラブ梅香散……ざっと算えた処で五十種以上に及ぶです。だ....
獄中消息」より 著者:大杉栄
ある。帰る頃にはコスモスが盛んだろうということだが、ここにもコスモスは年の終りの花王として花壇に時めく。お互いにこのコスモスの咲く頃を鶴首して待とう。 去年の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なると、或は一考の価値あるかもしれませんね。栄さんが、髪を洗うのに、シャンプー(花王や何か)つかいすぎて今前のところがひどい有様になっているのよ。顔ちがいがする....
次郎物語」より 著者:下村湖人
来たが、その採点表の左の端には、馬賊、チャップリン、かまきり、あざらし、おでん、花王石けん、長茄子、瓦煎餅、といったような先生たちのあだ名が縦にならんでおり、そ....
」より 著者:森鴎外
んぞの舶来していなかったその頃、上等のざら附かない製品は、牡丹の香のする、岸田の花王散と、このたしがらやの歯磨とであった。店の前の女は別人でない。朝早く父親の所....
魔都」より 著者:久生十蘭
起るべき筈はなく、ただ無暗に腹を立てたのである。磨き出したような黄色い新月さえも花王石鹸の広告の様に見えて一層ムシャクシャし、思わず馬鹿にしていやアがる、と叱※....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
当時は軍人の細君は芸人では結婚が許されなかったので、嫁にいくために宝塚を退いて、花王石鹸の女事務員になった。そうして、まだ結婚しないのに、許婚者のお母さんのとこ....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
はない。 中国では、牡丹《ぼたん》が百花《ひゃっか》のうちで第一だから、これを花王《かおう》と唱《とな》えた。さらに富貴花《ふうきか》、天香国色《てんこうこく....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
歌舞伎座にて海事協会の寄附興行あり。協会の懸賞募集脚本に、長谷川時雨女史の史劇「花王丸」当選して、一番目に上演。 ○六月十七日、歌舞伎座にてコッホ博士歓迎観劇会....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
むものはシャクシと区別するに至ったが、勿論もとは一つである。杓子顔と謂って、人は花王石鹸の広告のごとき顔をそう形容するが、今日の板杓子は平面なるヘラである。是は....