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花環
「花環〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花環の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
えた。 「お休みなさい。」 「失礼。」 と云う。襖を閉めて肩を引いた。が、幻の
花環一つ、黒髪のありし辺、宙に残って、消えずに俤に立つ。 主税は仰向けに倒れた....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
んです。と言うのは、つまり被害者の霊に対するささやかな供養の意味で、小さな安物の
花環を操縦室の天井へ、七七日の間ブラ下げて疾走ると言う訳なんです。二人は早速それ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
だまま陥没地に落ちたのだろうと、マヌエラは気もそぞろであったが、やがて紅い蔓花で
花環を編んで、じぶんを救おうとして死んで故郷へもどったドドのために、接吻とともに....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
せると、運転手にいそがせて、そのまま大森にある博士邸へ、車を走らせたのであった。
花環と花籠 極東薬品工業前の空地に、蓆をつくって小屋がけして新興ミマツ曲馬団の....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
て、 「ところで、あのSOSの筏は、何者が仕掛けたのかね。あの黒いリボンのついた
花環をつけて筏にのって流れていた無電機のことさ」 「ああ、あれですか。あれは、ど....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るいは心のままに高く這いあがっていた。また、あるものはバータムナスの像のまわりを
花環のように取り巻いて、布のように垂れさがった枝はその像をすっかり掩っていた。そ....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
ってかえったりする牛乳缶を、じっと気をつけてながめていました。鳶いろの頸に野菊の
花環を巻かれたままで、日向ぼっこをしながら。そして、そのあくる朝になると、パトラ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
幟でも何するんでしたけれど、今夜が初日じゃあもう間に合いません。せめてハイカラに
花環のようなものでも贈ることにしましょうよ。ここらは田舎ですから、どうで東京のよ....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ぬいてやったり、よろけている十字|架をまっすぐにしてやったり、風でふきとんでいる
花環をもとのお墓の所へおいてやったりしました。そんなことをしながら、ヨハンネスは....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
きは、砂穴からみどり色をしたオランダぜりをみつけてきて、それをスープ入のうえに、
花環のようにかけてやりました。それをほかの者がみてやっかむのはわかっていましたが....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
ら、わたしは往々曲筆を慈んでやらぬことがある。「薬」の瑜兒の墳墓の上にわけもなく
花環を添えてみたり、また「明日」の中では、単四嫂子は終に子供の夢を見なかったとい....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いことが、いかに醜悪なものであるか――如実に示されていた。 そのせいか、大きな
花環を抱いているそのすがたにも、どこか一風変った、感激とでも云いたいものがあって....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
の壇上には、大熊老人の亡骸を安置しその下には、各名士から贈られた真榊や、花筒や、
花環がギュウギュウ言うほど、おし並べられ、まるでアマゾン河畔の大森林を此処に移し....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
、下のかたより工場の事務員浦辺、三十五六歳、洋服を着て先に立ち、若き事務員村上は
花環を持ち、あとより支那の苦力二人が担架をかき、担架には阿香の死骸を横えて白い毛....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ころどころに鄙びた基督の磔刑の石像が立っていまして、それに士地の農夫達の手作りの
花環などが供えられてあります。ちょうど日本の田舎道に在る石地蔵の感じです。 こ....