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「花瓣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花瓣の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女生徒」より 著者:太宰治
礁《さんごしょう》がちらと顔を出していて、キャベツの黄色い葉は、牡丹《ぼたん》の花瓣《かべん》のように、鳥の羽の扇子のようにお皿に敷かれて、緑したたる菠薐草《ほ....
日輪」より 著者:横光利一
屋を飾れとわれに命じた。」転りながら叫ぶ使部の上で、白鷺の羽毛が、叩かれた花園の花瓣のようにひらひらと舞っていた。反絵は拳を振りながら使部の腰を蹴って叫んだ。 ....
花園の思想」より 著者:横光利一
た一列の眼光が冷たく彼に迫って来た。 彼は妻の病室のドアーを開けた。妻の顔は、花瓣に纏わりついた空気のように、哀れな朗かさをたたえて静まっていた。 ――恐ら....
獄中消息」より 著者:大杉栄
った。この運動を終えて室に帰って見ると、どこからとも知れず吹く風にさそわれて桜の花瓣がただ一片舞いこんで来ている。赤煉瓦の高い塀を越えて遙か向うにわずかに霞の中....
白い花赤い茎」より 著者:田中貢太郎
、鎖は切れて鬼婆は下へ落ちて死んだ。其の血は白い雪のような花の茎を赤く染めたが、花瓣を汚すことはできなかった。其の花は蕎麦の花であった。....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
魚の影が、ひらりと尾|鰭を翻して、滑べらかな鏡の上には、泡一筋だけが残り、それが花瓣のような優やかさで崩れゆくのだった。 水中にも、地上と同じような匂いが、限....
肌の匂い」より 著者:三好十郎
、内側から血が差して、それが微かにすけて見える。貴重な種のバラの花のクリーム色の花瓣でも見ているようだ。それに眼だ。どこがどうと説明はできないが、まるで、ちがつ....