花聟[語句情報] » 花聟

「花聟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花聟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
飛行機から墜ちるまで」より 著者:吉行エイスケ
新婚者と、女|角力《ずもう》になったタルタン、彼女のために殺されてしまった花聟《はなむこ》、歓楽の夜の海を水自転車で彼にあたえた、妖婦タルタンの愚かな行動....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
じゃない、公然の秘密として天下一般に知れ渡ってる。現に万朝《まんちょう》なぞでは花聟花嫁と云う表題で両君の写真を紙上に掲ぐるの栄はいつだろう、いつだろうって、う....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「合点だッ。富士川を下るんですかい」 「身共ではない。ここに抱き合うておいでの花聟僧に花嫁僧お二人じゃ。しっぽり語り合うているまに、舟めが岩淵まで連れてくれよ....
新ハムレット」より 著者:太宰治
、そちらから。」 ホレ。「え? 僕は、その、何も、いや、困ります。僕は、ただ、花聟の役を演じてみたいと思っているだけなのです。」 ポロ。「かく申す拙者は、花....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
世話をやいて、自分たちの燃えるような喜びを満足させた。そのお祭り騒ぎのうちに彼は花聟さまのように立派に着飾らせられ、みんなの間に祭り上げられて食事を始めると、一....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
した。わたしのまわりには強い薫りが紫の靄となってただよっていた。 「さあ、さあ、花聟さま。ちょうど、結婚の時刻でござります」 女の声がした時に、私は定めて盛装....
シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
ンの母親の代人としてウォースターの監督牧師に願い出させた。一つは身分の上に於いて花聟の家の方が低かったためか、シェイクスピアの父の方は手続の上では無視されている....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
木ではございません。雲さんや。ちょッと、こっちへ出なさい」 サルトルははにかむ花聟をおしだすように才蔵の手をとって前の方へひいてくる。 「アタシもかねて感ずる....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
者、売れ残りかと思っていましたが、これで私も肩の荷が一ツおりました。一安心です。花聟は二十五、キク子と同い年ですが、父まさりの腕達者で、若年ながらとても評判のよ....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
たって鼻介の野郎は三十に手のとどいた大ボラフキの風来坊。ヤモメ暮しというだけで、花聟という若い者の数の中にはいるような奴ではなかった。あの野郎、身の程もわきまえ....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
しかないということはそれほど実人生は厳しく、厳粛なものだということだ。配給された花聟花嫁を絶対とみる以外に自由意志のなかった昔の人々とちがって、恋の一ツもしてみ....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
を見計らって、なよたけ姫の「聟取り」の式をあげることに致しましょうかな。どうも、花聟の方が揉烏帽子にこの恰好ではあまりぱっとしませんが、さあ、文麻呂殿、お立ちな....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
ェンカへ贈物にする高価な品々が詰まっているのさ。 「こりゃあ一体なんだい?」 「花聟さんから花嫁さんへのプレゼントですわ」と、家内が説明する。 「うへっ! もう....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
吉日を択んで、いよいよ結婚の礼式を行う準備をするのです。まずその娘の父母はいつ頃花聟さんの方から媒介人が出て来るであろうとちゃんと慮って居る。そうしてその時間の....
三国志」より 著者:吉川英治
寺へおもむいた。 趙雲は、五百の兵をつれて、それに随行した。甘露寺では、国主の花聟として、一山の僧衆が数十人の大将と迎えに立ち、呉侯孫権をはじめ、母公、喬国老....