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「花見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

花見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
を云うが、すぐまた元のように人山《ひとやま》が出来てしまう。皆、この橋の下を通る花見の船を見に、立っているのである。 船は川下から、一二|艘《そう》ずつ、引き....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
う》の彼には、どのくらいつらかった事であろう。島原《しまばら》や祇園《ぎおん》の花見の宴《えん》も、苦肉の計に耽っている彼には、苦しかったのに相違ない。…… 「....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、あの右角の、三等待合の入口を、叱られぬだけに塞いで、樹下石上の身の構え、電燈の花見る面色、九分九厘に飲酒たり矣。 あれでは、我慢が仕切れまい、真砂町の井筒の....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
であろう。 その癖、妙な事は、いま頃の日の暮方は、その名所の山へ、絡繹として、花見、遊山に出掛けるのが、この前通りの、優しい大川の小橋を渡って、ぞろぞろと帰っ....
古狢」より 著者:泉鏡花
腰の矢立はここのも同じだが、紺の鯉口に、仲仕とかのするような広い前掛を捲いて、お花見|手拭のように新しいのを頸に掛けた処なぞは、お国がら、まことに大どかなものだ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
る、と小県はかねて聞いていた。 紀州を尋ねるまでもなかろう。 ……今年はじめて花見に出たら、寺の和尚に抱きとめられて、 高い縁から突落されて、笄落し、小枕落し....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、それから、三両で絎けて、そうしてどうするの、三両で絎けて……」 「今年はじめて花見に出たら、寺の和尚に抱き留められて。」 とわれは節つけて唄い出しぬ。 婦....
星女郎」より 著者:泉鏡花
して、 (二度目のは引越した処でしょう!) と少い人に言うんです。 (物干で、花見をしたり、藪の中を歩行いたり、やっぱり、皆こういう身体になる前兆でしょう。よ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
お話なりといたしましょうか。物見遊山と申してもそれは至って単純なもので、普通はお花見、汐干狩、神社仏閣詣で……そんな事は只今と大した相違もないでしょうが、ただ当....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
そのかわり横田圃へ振落された。 ただこのくらいな間だったが――山の根に演芸館、花見座の旗を、今日はわけて、山鳥のごとく飜した、町の角の芸妓屋の前に、先刻の囃子....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
れらを順序なく話して見ようと思う。 一 まず第一に挙げたいのは、花見時の上野に好く見掛けたホニホロである。これは唐人の姿をした男が、腰に張子で作....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
人いましたが、これが、そのまま、腰に瓢箪でもつけていそうな、暖簾も、景気燈も、お花見気分、紅い靄が場内一面。舞台は、切組、描割で引包んだ祇園の景色。で、この間、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ていいますが、皆金蒔絵で大したもんです。 このお雛様の節句と来た日にゃ、演劇も花見も一所にして、お夏さんにかかる雑用、残らず持出すという評判な祭をしたもんです....
式部小路」より 著者:泉鏡花
どど一か端唄なら、文句だけは存じておりますが、といって笑顔になって、それはお花見の船でなくッては肖りません。ここはどんな方のお邸でござんすえ、ッて聞かれたか....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
。のみならずその木の根元には子供を連れたお婆あさんが二人曇天の大川を眺めながら、花見か何かにでも来ているように稲荷ずしを食べて話し合っていた。 本所会館の隣に....