花道[語句情報] »
花道
「花道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
花道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文学好きの家庭から」より 著者:芥川竜之介
た時だそうですが、これはよく覚えていません。なんでもこの時は内蔵之助が馬をひいて
花道《はなみち》へかかると、桟敷《さじき》の後ろで母におぶさっていた私が、うれし....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ちらちらを一目見ると、や、火の粉が飛んだように、へッと頸を窘めた処へ、 「まだ、
花道かい?」 とお蔦が低声。 「附際々々、」 ともう一息め組の首を縮める時、....
「妖術」より 著者:泉鏡花
好いものを、と小唄で澄まして来る。皆足どりの、忙しそうに見えないのが、水を打った
花道で、何となく春らしい。 電車のちょっと停まったのは、日本橋|通三丁目の赤い....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
世子かどうか判ろうという機会が来たのだ。流石に胸が迫った。道頓堀行進曲も賑かに、
花道からズラリと六人の振袖美しい舞妓が現れた! (居ない、居ないぞ) QX30....
「金属人間」より 著者:海野十三
物人に四方をかこまれてまん中にあり、いちだん高くなっていた。そして舞台から二本の
花道が、楽屋《がくや》の方へわたされていた。 大学生|雨谷《あまたに》は、りっ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
衣も真黒なるが、もの陰より甍を渡り梢を伝うがごとくにして、舞台の片隅を伝い行き、
花道なる切穴の口に踞まる。 鐘の音。 図書、その切穴より立顕る。 夫人すっと座を....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
て鳴ると悪いね、田圃の広場へ出て見ようよ。(と小屋のうらに廻って入る。) 鯰入。
花道より、濃い鼠すかしの頭巾、面一面に黒し。白き二根の髯、鼻下より左右にわかれて....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
村越 お互の中にさえ何事もなければ、円髷も島田も構うものか。 この間に七左衛門
花道の半ばへ行く、白糸出づ。 白糸 (行違い、ちょっと小腰)あ、もし、旦那。 七....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
。」 「まことに済みません。発起人がこの様子で。」 「飛んでもない。こういう時は
花道を歌で引込むんです、柄にはありませんがね。何でしたっけ、…… わが心なぐさめ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
への字に頤の下まで結んで鼻を一すすり、無念の思入で畳をすごすごと退る処は、旧派の
花道の引込みさ。」 「三枚目だな、我がお京さんを誰だと思うよ、取るに足らず。する....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
り。 土間、引船、桟敷などいうべきを、鶉、出鶉、坪、追込など称えたり。舞台も、
花道も芝居のごとくに出来たり。人数一千は入るるを得たらむ。 木戸には桜の造花を....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
った様なもんだね』 『何処で芝居を演るんだ?』 『芝居はまだだよ。その壁がつまり
花道なんだ』 『もう沢山だ。止せよ』 『その
花道を、俳優が先ず看客を引率して行く....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
傾けた。杖が邪魔なので腕の処へ揺り上げて、引包んだその袖ともに腕組をした。菜種の
花道、幕の外の引込みには引立たない野郎姿。雨上りで照々と日が射すのに、薄く一面に....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
なのに、聾桟敷一驚を吃する処に、一度姿を消した舞妓が一人、小走りに駆け戻るのと、
花道の、七三とかいうあたりで、ひったり出会う。何でもお客が大変|待あぐんで機嫌が....
「山吹」より 著者:泉鏡花
、葉は黒きまで枝とともに茂りて、黒雲の渦のごとく、かくて花菜の空の明るきに対す。
花道をかけて一条、皆、丘と丘との間の細道の趣なり。遠景一帯、伊豆の連山。 画家 ....